ヤプーパロ本3冊目の後書きのような裏設定のようなやつ【船長編】
冒頭のフレバンス脱出後のローが受けた仕打ちは前作「あの日のフレバンス」のショタロー編と同じエピソード
同じ世界ではないけれど
ローが見付けた男の死体は実は「あの日のフレバンス」の書き下ろしパパファルガー編に出てきたパパファルガーの親友
パパファルガーに協力して珀鉛病の研究をしていたが、ある時政府に妻と子を人質にとられ、研究を断念。結果、パパファルガーとフレバンスを裏切ることとなった。※ここまで「あの日のフレバンス」
その後、フレバンスが滅びたこと、親友を喪ったことを知り自責の念に駆られ精神を病む。そんな彼を見ていられなくなって、妻は子を連れて出ていった。男は結局、不穏分子として政府に殺されそうになり、命からがら家族の写真と僅かな荷物だけを持って国を脱出。その際に負った傷のせいで野犬に嗅ぎ付けられ襲われて絶命。せめて親友に謝ろうとフレバンスを目指していた。
ローが彼を見付けたきっかけになった物音は彼を食い殺した野犬。ローも襲われるはずだったが、書き忘れて、見直しの際に付け足そうと思っていたが、このローの環境ではどう考えても死ぬとしか思えなかったのでカットした。命拾いしたね、ローくん。
【メイド編】
無力な四肢欠損くんに妻子を作りたいな、っていうのとただただ嫌なだけの女を書きたいという謎の願望により生まれた話。
メイドの“メイ”と思いきや、彼女の名前に悩んでる時に「メイの箱庭」という曲を聞いていたので、そのまま借りた。曲中のメイは両親が殺されても健気に生きている良い子です。
始終、メイドは自分が被害者のように語っていたが、おそらくドフラミンゴ付きのメイドとかになっていたら嬉々としてドフラミンゴについていたと思う。
四肢欠損くんに「おれが父様でごめんな」って言わせられて満足。ドフラミンゴがこれを知ったらどう思うのだろうか。
長くなるので、カットしたけどディアマンテ辺りにメイドはけっこう虐められている。
父親はある時に病死。メイドが気が付いた時には腐っていた。
最初は四肢欠損くんもメイドに対して何も思うところが無い展開にする予定だった。が、原稿中に作者の祖父母が鬼籍に入りまして、その事がきっかけでいろいろ思うところがあり、本文の内容に書き直した。
彼の生きてきた人生を振り返ると、常に身近にいてくれるだけで嬉しかったんじゃないかと。主人であるドフラミンゴに何かを求めるなんて恐れ多いので、このメイドの方が依存対象になっていた。実際、冷たい態度は取られるものの彼の受けてきた仕打ちを鑑みれば、四六時中(就寝時除く)文句も言わずしっかりと面倒をみてくれる彼女に好意を抱いてもおかしくはない。
……なんてつもりで書いていたけど、本になってから読み返してみれば、四肢欠損くんは彼女に家族を求めていたんじゃないかと思う。彼が決して持ち得ないもの。しかし、彼はトラファルガー・ローの記憶を持っているので。きっと家族というものに憧れていて、決して良い感情は向けられていないと分かっていても家族の代替となり得る彼女がいてくれることが嬉しくて仕方がなかったのではないかと思う。
四肢欠損くんとメイドの子供は実はコラソン(四肢欠損くんをこの時代へと送り出したローのクローン)という裏設定。シリーズ2冊目で、アイは主人であるローの子供に転生する性質があると分かったので生まれた謎の裏設定。
当然今も尚、ローを求めているので成長すると父を求めて海に出る。その後、脱獄したドフラミンゴとその腕に抱えられた父と再会。四肢欠損くんの世話係となる。
【ドフラミンゴ編】
実は船長編のその続きでドフラミンゴ編を書きたかったけど、作者がドフラミンゴの心情と向き合うことから逃げたので大幅カット。本当はショタローくんがこっそり面倒を見ていた四肢欠損くんをドフラミンゴが見付けるところとか、背中の天翔ける竜の蹄を見付けてブチギレるところとか、ドフラミンゴの部屋でショタローくんとベビー5が四肢欠損くんの面倒みるところとかねっちょり書きたかった。
そして、コラソンとローを失ったドフラミンゴとローの代替品である四肢欠損くんの共依存を書く予定だったが、そうもならなかった。ドフラミンゴは依存していた……かな。ドフラミンゴが四肢欠損くんに対して依存しているところはもっと書きたかったけど、如何せんドフラミンゴの心情と上手く付き合えなくて……逃げました。
四肢欠損くんは主人に依存するなんて恐れ多いし、兎に角もう捨てられたくないだけだと思う。四肢欠損くん編で後述するけれど、彼自身の自我を育む機会なんて無かったので、四肢欠損くんの中身は幼子でしかない。それでもドフラミンゴに捨てられないように必死に四肢欠損くんにとって理想のドフラミンゴの右腕、つまりはコラソン(ローのクローン)を演じていた。
ドフラミンゴはローと精神シャンブルズさせようとしていたけど、結果失敗してドフラミンゴは安心しているところもあったかもしれない。だって五体満足の体があれば、また自分の元から去っていってしまうかもしれないから。
【四肢欠損男編】
Xで「天竜人ドフラミンゴは四肢欠損クローンと通常クローンをローローさせてワイン片手に楽しむ」とかポストしたんで、それを書こうとしたけど全然違うものになったもの。
読んで貰った友人に勘違いされたけど、四肢欠損くんはアイではない。
アイ=天竜人ロシナンテに囚われたオリジナルローの為に誂えられたオリジナルローのクローン。ローの望む通りに行動するように脳にインプットされる。(以下、アイの本能)通常オリジナルの記憶、自我はない。
この四肢欠損くんはオリジナルローがいなくなったことで、過去が変わらないように代わりとなるべく作られた。上手くいけば、オリジナルローの代わりに彼の時代に送られ、自分がローであると疑わず普通の人間として生涯を終えるはずだった。オリジナルローの代わりとして作られたので、脳内に埋め込まれたのはオリジナルローの記憶と自我のみ。しかし、なんの不具合か手足が生えなかったのでオリジナルの代わりとして使えなかった。そのため、研究員は代わりに近くにあったアイにオリジナルの記憶と自我を上書きして送り出すこととなった。(シリーズ2冊目に出てきた彼)
何故近くのアイで済ませたかと言うと、たぶん新しく作り直すのが面倒だったとか、納期がやばかったとかそんなの。結果、オリジナルローが妹と再会出来るきっかけとなった。※四肢欠損くんが無事ローとして送り出されていたら、アイの本能なんてないので、無意識の内にオリジナルローを求めてあの山を訪れるなんかしない。この場合はただ本当にオリジナルローの人生を代わりに生きるだけ。
実は度重なる拷問じみた虐待に何度か命を落としている。その度に面白がった天竜人ドフラミンゴによってわざわざ予備の四肢のない体を用意され、記憶を移されている。本人は気が付いていない。廃棄場のローのクローンの死体の山には過去の彼の体も混じっている。
当初は自分をローだと思い込んでいたが、天竜人ドフラミンゴに自分がクローンだと知らされた時、自分の記憶だと思っていたオリジナルの記憶は知っているだけの他人の記憶になった。
この瞬間にオリジナルとは別の彼自身の自我が生まれた。しかし、前述したが、その後もその自我を育む機会に恵まれず、十数年経っても彼の内心は幼いままである。ローやコラソンを羨望するだけで“自分”として生きる道があることも知らない。
コラソン(アイ)について
本当は彼のストーリーも書きたかったけど、四肢欠損男編が長くなりすぎたので諦めた。あと時間も足りなかった。
名前がコラソンなのは原作とドフラミンゴのネーミングセンスが同じなだけ。
四肢欠損くんが生まれたのと同時期につくられたアイ。しかし、彼には本来アイにはないはずの自我があった。※オリジナルの記憶はなし。
不良品として廃棄される予定だったが、天竜人ドフラミンゴが面白がって引き取った。その際にアイとしての本能の上にドフラミンゴが主人だと上書きされている。陰部にはドフラミンゴのサイズに合わせた穴が開けられているが、ドフラミンゴはこんな玩具を使わないので四肢欠損くんと致すまでそこが使われたことはなかった。
当初は自我があるものの、それに準じる記憶や感情が形成されていないので、主人であるドフラミンゴの命令に従うしかなかったし、それを不満にも思っていなかった。忙しく飛び回っているドフラミンゴが気紛れで連れ回し、時には屋敷に置き去りにされていた。その際は四肢欠損くんを匿っていた小部屋に何をするでもなく突っ立っているだけだった。
そんな中、四肢欠損くんの面倒を見るうちに(ドフラミンゴの虐待に加担する内にとも言う)、四肢欠損くんをオリジナルローと誤認し、だんだんとアイの本能が蘇ってくる(従うべき本来のローはいないが、それでも本能はローを求めた。結果、目の前の唯一のローの顔をした四肢欠損男が自分の“ロー”だと仕立て上げるに至った)。彼は彼でドフラミンゴの命令に従うかアイの本能に従うか葛藤し苦しんでいた。初めてアイの本能に従った際に、その快感に酔いしれる。しかし、ドフラミンゴの前ではそれを悟られるわけにはいかない。結果、その後もドフラミンゴの虐待に加担し続けるしかなく、ついに四肢欠損くんは廃棄されてしまう。そして、ドフラミンゴの目を盗んでやっと廃棄場を再び訪れた際には既に四肢欠損くんは力尽きた後だった。
やっと得た自分だけの“ロー”を喪うことに耐えられなかったコラソンは、ドフラミンゴが用意していた四肢欠損くんの体の予備(最後のひとつ)に四肢欠損くんの記憶を移して匿うことした。
そして、オリジナルローとアイの脱走事件が起こり(シリーズ1作目)、激昂したドフラミンゴは全てのローのクローンシリーズの廃棄を決定。当然それにはコラソンも含まれており、コラソンも自らの足で廃棄場へ行くよう命令される。
自分がいなくなれば、当然大事な“ロー”も野垂れ死ぬだけなので、命令を無視して痛む頭に耐えながら、廃棄場へ行く前に“ロー”を一縷の望みをかけて別の時代へと飛ばした。
その後は命令通り廃棄場へ自分で赴き、以前の“ロー”の体を抱き締めながら眠りについた。