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    sasacco89

    @sasacco89

    子どもと一緒に見た忍🥚にはまりました。
    絵を描くのは約30年ぶり。当時もよく忍🥚の絵を描いていたなぁと思い返しては、子どもの頃に見ていたアニメが今も放送されていることに有り難さを感じています。

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    sasacco89

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    現パロ竹くく🎋📛
    同じアパートのお隣さんで、同じ大学に入学します。

    出会い ピンポーン。
     大学の入学式を数日後に控えたある日の夕方、アパートの呼び鈴が鳴った。
     スーパーから帰ってきたばかりの八左ヱ門は、買ってきた食材を急いで冷蔵庫にしまいながら「はーい」と返事をした。

    「今度、501号室に越してきた久々知です。ご挨拶に伺いました。」

     ドアを開けた途端、あまりの眩しさに目を細めた。西陽が強かったせいもあるが、黒く艶のある髪に白い肌、整った顔立ちでスレンダーで、凛とした空気を纏った青年がそこにいた。これまでに出会ったことがないタイプの青年を目の前にして、「都会にはこんなに綺麗な人がいるんだなぁ」と思わず息をのんだ。

    「挨拶が遅くなってすみません、一昨日も伺ったんですがいらっしゃらなかったので」
    「あ、いえ、そんな。というか、俺も先月末に越してきたばかりなんです」
    「そうなんですね!ということは、大川大学の1年生ですか?」
    「あ、はい、そうです」
    「良かった、僕もです。よろしくお願いします」

     あまりにもどきまぎしすぎて、まともに言葉を返せないことをもどかしく思いつつ、「この人、同級生なんだ」と少しほっとする。初めての一人暮らしで若干寂しさを感じていたが、同じような状況の学生の存在に多少救われた気分にもなった。

    「これ、お近づきの印です。お口に合うといいのですが」
    「え、あ、すみません。ありがとうございます。しまった、何も準備してなかったな…」
    「いえいえ、僕が持って来たかっただけですから。それでは失礼します」

     一体、何を食べ、どのような環境で育つと、あんな好青年になれるのだろう。
     八左ヱ門はしばらくぼーっと玄関に立っていたが、お腹の虫が現実へと連れ戻してくれた。そうだ、『お口に合うと』と言っていたから、これは食べ物に違いない。台所に戻り、渡された箱を開けた瞬間、また息をのむことになる。

    「高野豆腐…?」

     ちょうど今夜は煮付けにしようと思っていたから、これも一緒に煮込んでしまおう。
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