おはよう、そして、おめでとう 朝6時。
いつもは寝坊助な私が珍しく早起きしたのは、自分の誕生日だからというのもあるけれど、真っ先にあの子に渡したいものがあるから。
「──よし」
私は、ずっとテーブルの上に置いておいたプレゼント用に包装された「それ」を持って部屋を出て、いつもの食卓に向かう。
そこでは鼻歌混じりに朝食を食卓に並べる銀髪のあの子──あかりさんがいた。
あかりさんは私が起きてきたことに気がつくと、パァッと顔を輝かせた。
「おはようございます、あかりさん」
「ゆかりさん、おはようございます 」
「はい、これ。誕生日プレゼントです」
「じゃーん ゆかりさんへの誕生日プレゼントです」
「おはよう」から「誕生日プレゼントです」まで全てのセリフと隠していたプレゼントを見せ合うところまでハモると思っていなかった私たちは、一瞬固まってから、なんだか可笑しくなって吹き出してしまう。
1216