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    case669

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    じゃみの顔がえっちだって言いたい先輩だった筈だけど書いてるうちに着地点を見失ったレオジャミ

    ##レオジャミ

    中途半端なまま火照り濡れた肌に、部屋の空気はまだひんやりとしていた。
    疼きを抱えたままに縺れる足を引き摺るようにして連れられ立たされた壁掛け鏡の前、映る自分の姿は酷く呆けた間抜け面をしているように思う。
    「おら、ちゃんと見てろよ」
    背から圧し掛かる重みに負けて鏡に手を着くも、俯く事を許されずに大きな掌が顎を掴み鏡へと向くことを強要する。眉を寄せていてもしまりの無い自分の顔には知性の欠片も見当たらない。ただ欲に身を任せて思考能力をどこかへ捨ててきたような顔には色気を感じるよりも呆れるばかりで、鏡越しに見るレオナが何をそんなに楽しそうに見ているのかいまいちピンと来ない。その、誰かがびっくり箱を空ける様を覗き見るような悪めいた笑顔の方がよっぽど艶めいて魅力的だと言うのに。
    「ぁ、……んんぅ……」
    片手でジャミルの顎を掴んだまま片手で腰を抱えられ、ぐずぐずに蕩けた場所に再び熱く固い物が押し込められればようやく放り出されていた疼きを埋められる悦びに瞼を伏せ安堵の息を漏らす、が。
    「目ぇ閉じんな。見てろって」
    咎めるようにレオナが耳朶に柔く歯を立て、淡い痛みに渋々目を開ける。うすらぼやけた視界いっぱいに広がるのは、ただただ待ち望んでいた物を与えられて喜ぶ腑抜けた自分の顔ばかり。
    この顔の何が良いのかわからなくて、むしろ今までこんな阿呆面をレオナの前に曝け出していたのかと思うと妙な羞恥心が沸き上がってせっかく満たされたというのに我に返ってしまいそうだった。
    「せんぱい、これ、やだぁ……」
    「なんでだよ。エロい顔してるだろうが」
    鏡越しに突き刺さるレオナの視線から逃れようと頭を振っても力の抜けた身体ではレオナの片腕からすら敵わない。つい顰めそうになった顔が、ぐずりと奥を捏ねられるだけでいとも簡単に解ける。
    「ふぁ、ぁ……」
    「普段、すましたツラしたテメェがよ」
    「あっ、ああ、あ」
    「こうやってちょっと中を撫ぜてやるだけで素直にキモチイイって顔して」
    「せんぱ、ぁっ……待っ、」
    「全部俺に委ねますって身体預けて」
    「あ、あ、っあ、あ、せんぱい、イく、っイっちゃうから」
    「言われるがままにちゃんと自分の顔を見ながらイっちまうんだろ?」
    「――~~っっ!!」
    目の前で見慣れている筈の顔が見たことのないような形にぐしゃりと歪むのを最後に耐え切れずに瞼をぎゅうと強く瞑る。全身を満たす快感に浸ることを、今度はレオナも咎めなかった。前へ向けて顔を固定していた手が外され、支えを失った身体を支えるように鏡につけた額がぬるりと滑る。腹の底で弾けた快感をなおも塗り広げるように中を揺すられて気持ち良いのが終わらず、ただ宥めるように腹を外側から撫ぜられるままに爪先まで広がる快感を噛み締める。
    「――……は、……ぁ」
    浮いた身体が地に足をつけるような、穏やかな着地に息を吐くと、汗の落ちるこめかみに、耳朶にとレオナが唇を這わせる。
    「ほら、見てみろよ」
    まだ残り火に揺蕩うまま、それでもそう促されればのろりと顔をあげて確認してしまうのだから随分と従順にさせられてしまったと他人事のように思う。
    「良い顔してるだろ?」
    鏡に映るのは、疲れ果てたような腑抜けの顔。背中にぴったりと身を寄せて隣に並んだレオナの、雄を纏わせた色気とは対極にあるような萎びた面にしか見えない。
    「……やっぱりレオナ先輩の方がエロいと思います」
    「これを見てもまだ理解出来ねえのかよ。……今度ハメ撮りでもするか」
    「俺が先輩を撮るなら良いですけど」
    「何が悲しくて自分が盛ってるツラ見なきゃなんねぇんだよ」
    「そっくりそのままお返ししますけど……っぁ」
    身を離したと思いきや、両肘を背後から引かれて自然と反り返った身体に埋められた熱が弱い場所を抉り、まだ冷めやらぬ身体はいとも簡単に引きずり戻されてしまう。
    「とりあえず、もう少し自分のイき顔を堪能してみろよ、なあ?」
    遠慮願いたい旨を申し出る筈だった唇は、ようやく自身だけの快感を追うように腰を叩き付け始めたレオナによって喘声をあげることしか出来なくなってしまった。
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    case669

    MEMO黒峰さんの猫じゃみちゃんの絵から書いたカリジャミにゃあ。

    と、ジャミルが鳴いた。
    いつもひんやりとした眉毛をへにゃりと下げて、つり上がった目尻を垂れ下げて、いつもきりりと結ばれた唇をぱかりと大きく開けて、もう一度、にゃあ、と鳴いた。
    「じゃっ……じゃみ、ジャミルが可愛い!!!」
    カリムが思わず頬へと手を伸ばせば、避けるどころか自ら近付いてすりすりと頬擦りされた。更にはそのままカリムの足の上に我が物顔で乗り上がって座り、ちょん、と鼻先が触れあう。思ったよりも重くて足が痛い。けれど、今まで見たことも無いくらいに蕩けきったご満悦な顔をしているジャミルを見てしまっては文句なんて言えようも無かった。
    「……ジャミル?」
    「なあう」
    名前を呼べばふにゃふにゃの笑顔でジャミルが答える。なあに?とでも言ってるような顔でこてりと首が傾き、ぴるぴると頭に生えた猫耳が震えていた。
    ジャミルが可愛い。
    いやいつもの姿だって十分可愛いのだけれど、それはそれとしてジャミルが可愛い。
    感極まって思わず唇を重ねようと近付けるも、ぐいっと二つのぐーにした手で思い切り顔を押し退けられてしまった。
    「ふなぁーあ」
    やーだね、とでも言っている、ような。思わぬ抵抗を受けて 1203