話を少し「ガチャ」
斧を研いでいる途中でドアの開く音がした。
「来たよー 赤ずきんちゃん 待ってたー」
いつもの職員だ。毎日欠かさずここに来る。
急に突拍子の無いことをしてきたり、癪に障る発言ばかりしてきたりと、
アブノーマリティの怖さを全く理解していないような野郎だ。
「待ってる訳無いだろ。」
「えー、そんなこと言わないでー。ぼくは赤ずきんちゃんに会うのを
ずーっとずーーーーっと待ってたんだよ?」
「お前が勝手に待ってるだけだろ。」
「そうなんだけどねー!」
だが、最近、あのくそ野郎の遠吠えも聞こえない。奴らの気配もしない。
依頼もなかなか来ない。正直…斧を研ぐことぐらいしかやることがない。
つまり……くそ暇だ。本当に暇だ。
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