【地獄に行くのはその後で】俺は戦場で数え切れない程の人を殺した。
時には生きてる仲間だって巻き込んでしまっている時もあった。
それでも、自分が生きる為なら犠牲は付き物だと思いながら生きるしかなった。
最低だとわかってる。
その仲間達の家族には今でも顔を向ける事は出来ないでいる。
お前が言う『死相』がまだ残っているのなら、きっとそいつらが俺を迎えに来るのだろう。
そんな最低な俺が今、こんなに幸せに生きて良いのだろうか。
こんな死に損ないな俺が贅沢過ぎる願いを持ってしまってもいいのだろうか。
「出来るのならば…お前の最期の男になりたい」
「心配せずとも、これからもずっとお主が最初で最期の『男』じゃよ」
俺はいずれはお前達の元へ行くだろう。
けれども今はお前達の分まで生きて、寂しがり屋の最愛の傍に居させて欲しい。
374