「ヨージの今までの経験人数って三桁いってんのか?」
「は? 何だよ、いきなり……」
「凄いよな~、オレなんてまだ一人も経験ねえのによ……」
「訊いといて一人で完結してんなよ……お前、だいぶ酔ってんだろ。飲み過ぎだぞ」
「オレだってさあ、いつかは誰かと……」
「はいはい、早くそんな相手が見つかるといいな」
「何だよ、自分は山ほど経験あるからって、ムカつくなぁ……そうか! ヨージとすればいいんだ!」
「……はっ?」
「なあヨージ、しようぜ」
「お前、何馬鹿なこと言ってんだよ。俺もお前も男だっての」
「そんなことわかってるよ。ヨージは男としたことあんのか?」
「ねえよ!」
「へぇ、ヨージにもまだ初めてなことあるんだな……」
「お前俺のこと何だと思ってんだよ。てか何でするみたいな流れになってんだよ。しねえよ」
「いいだろ、知らない仲でもないんだし。オレは経験できるし、お前上手いだろうから気持ちよさそうだし」
「俺に何の旨みもねえ話だな。てかお前その場合抱かれる方になるぞ。そっちの経験でいいのかよ」
「お前のテクニック学べて丁度いいかなって」
「簡単に言うねぇ、この酔っ払いは……だったらお前が俺をその気にさせてみろよ」