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    らいち。

    @ramuneeeedo

    静かに暮らしたいおたく。

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    らいち。

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    夏イベで睡眠障害と味覚障害の考察を見て情緒が壊れてキャンプの夜のオベぐだ♀書きました…。
    シリアスっぽいですが、いちゃいちゃしてるだけです。

    #オベぐだ

    充分甘いよ。それ見たことが。
    だからあの時言ったのだ。

    睡眠障害に味覚障害…?
    ヒトとしてきみはまともに生きれているか?
    なぁ、それでも大丈夫だと、そう言うのか?

    本当にバカげてる。



    「味の薄いコーヒーに入れる砂糖は美味しいかい?」
    「…嫌味?」
    「いいや?サーヴァントとしてマスターの身体を案じているのさ。糖分のとりすぎは良くないよ」

    あの眠れなかった夜。
    皆でコーヒーを飲んだ日から数日経った夜。全てを見透かしていたかのようにオベロンは彼女にそう語った。

    「それとも、その身体ももう朽ち始めている、とか?」
    「全ッッ然!!平気だし!」

    んべ、とリツカは元気よく舌を突き出し嫌みを放つオベロンを一喝してみせる。

    「じゃあ何故ここにいる?
    今日も眠れないんだろ?」
    「たまたま、だよ。今日は夜風が気持ちいいなーって…当たりたかっただけだし」

    そんなわけあるか。
    オベロンがここに来てからリツカがまともな睡眠をとっている様子は数回しか見ていない。
    イラついた様子でオベロンはリツカの頬をつねると

    「この嘘つきが」

    と、冷たく吐いた。

    「いたただ!!ちょっと!いきなりつねるとか…乱暴だなー」

    リツカは涙目になりながら頬をさすると、オベロンに詰め寄った。頬が真っ赤になっているあたり結構な力で、本気でつねられたのだろう…。

    「ごめんねー!虫唾が走ったからさぁ…でも痛覚は正常だ、ってわかってよかったじゃん」
    「そうだねー!麻痺してたら良かったのにね!!」

    全く!と、リツカは未だ痛む頬を撫でながら嫌味をさらりと返した。
    いや、痛覚も麻痺してたら致命傷にも気付かず死ぬかもしれない。

    まぁ、それすらもなんとかして乗り越えなきゃなんだけど

    「オイ、止めろ」
    「え…?」

    頬をさする指を、オベロンの右手が捕まえた。
    恐らくその意図は頬をさするのを止めろ、という意味ではない。
    彼には全てが視えているのだ。

    「そういうの、もう止めろ」
    「……ありがとう。でもごめん。
    無理だよ」

    変わりはいない。
    心も身体もここまでくるのに大分摩耗してしまった。
    失ったものも
    背負ったものも多すぎる。

    止めることなど、出来ないのだ。
    自分だけ、楽になろうだなんて。

    「きみはそれでいいのか?
    その結果、きみに何が与えられる?
    名誉?称賛の声?きみは消費されるだけだ
    後には壊れたきみしか残らない。それでも」
    「それでも…嫌だから…。途中で諦めるの、嫌だし
    ここまできて投げ出したら、悔しいじゃん?」
    「本当は怖いくせに」

    はっ…と。オベロンは此方を嘲笑するが、リツカはそんな彼に嫌な顔一つせずきちんと向き合った。

    「うん、怖いよ。凄く怖い。
    でも、君だけわかっていてくれたら、それで充分だよ」

    オベロンの瞳が丸くなり、そよそよと流れた心地よい夜風が彼の髪をなびかせた。
    一瞬。
    その間は一瞬だったのに、オベロンは心臓が止まったのかと思った。

    「は、はは…ほんっと…救いようがないよね?きみ…」
    「うん。ごめんね…
    でも、本当に…大丈夫だからさ…心配かけてごめん」
    「心配なんかこれっぽっちもしてないけど?」

    さっきは糖分の採り過ぎを気にしてくれていたハズなのになぁ。
    リツカはくすくすと笑い出してしまうと、面白くなさそうなオベロンに一歩詰め寄った。

    「オベロン、私君の事大好きだよ」
    「ハァ?!」

    ちゅっ…
    と。柔らかなリツカの唇が、オベロンの唇に触れて去っていく。
    そうして何かを確かめるよう、うん。とリツカは小さく頷くと。

    「味覚…大丈夫みたいだよ。オベロンとのキス、充分甘かったし…」

    そう、悪戯っぽく微笑みかけたのだった。
    一気に赤く染まるオベロンの頬。
    漸く事態を飲み込む事が出来ると「ぁ
    あ……」と頭を掻き乱し…。

    「ッの馬鹿!!」

    と…真っ赤な顔のまま夜闇に消えていってしまったのだった。
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