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    natsuyamabl4

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    natsuyamabl4

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    筋肉質な太ももがフェチなisのiscgのお話。
    cp未満になります。
    前の垢で上げていたお話を完成させました。

    太ももフェチのiscg 潔世一は太ももフェチだ。サッカーをしているからなのか、元々の性癖なのかは明確ではないが、間違いなく言えるのは太ももが潔世一にとって大切なポイントで、無意識に目が言ってしまう場所であった。
     魅惑の太ももとは何だろうか。細い脚、サイギャップがある、柔らかい脚、様々な種類があるため、一概に魅惑の太ももがどうとは語れないだろう。好みは人それぞれである。
     では、潔世一の好みの太ももはと言うと、筋肉質の脚である。これが一般的に理解されないのは重々承知だ。潔自身気づいた時は落ち込んだくらいである。同級生の友人が、同じクラスの可愛い女子の短いスカートから出ている脚を見て「脚細くて絶対領域ある子がやっぱり1番良いよなぁ」と言ったことに同意できなかった時の衝撃は言葉にできないほどだ。
     ならば、潔はどこで筋肉質の脚が良いと感じたのかと言うと、バレー部の脚である。偶然体育館前を通りかかった時に視界に入ったバレー部の練習風景。その中で動く選手達の脚を見て、潔は「あ、この脚だ」とストンッと腑に落ちた。ちなみに女子バレー部だったのでこの話は潔としてはとても言いにくい。彼も世界一のストライカーを目指しているエゴイストとは言え、まだまだ高校生という青春期なので。
     そのため、五十嵐などに「何フェチ?」と言われて「太もも」とまで答えることはできる。太ももが好きな男子は多いので賛同を得る事が大半だ。だが、太ももまで答えても「筋肉質の太もも」までは当たり前だが答えた事が無い。目の前で細い太ももや絶対領域の太ももについて盛り上がる五十嵐達の話を聞きながら、何とも言えない気持ちになったのは秘密である。


     そんな潔が、目の前を走る青い監獄でトップであろうスピードを誇る千切の太ももに目がいってしまうのは最早当然の事であろう。潔は休憩がてら千切の足をこっそりと堪能していた。
     千切の足はしっかりと筋肉がついてる上にしなやかだ。長距離走をあのスピードで走れるのだから、筋肉量が増え過ぎてしまうとスピードが落ちてしまう可能性があるのだろう。〝赤豹〟と言われるだけあって力強くしなやかな脚である。その上、ケアを毎日念入りに行っているのを知っている。偶然風呂場で見た太ももは、恐らくだ柔軟性もあるのだろう。太ももフェチの潔には目視だけで確認できた。
     チームZでいた時は、千切がチームに馴染むのも後半からだったためか中々に機会が訪れなかった。更に言うと、ワガママお嬢と言われる千切である。恐らくストレートに頼んでも間違いなく受け入れてくれないだろう。むしろ、蔑まれる顔をされるに違いない。流石にそれは嫌だ。
     どうにかならないだろうか、と考えていると、目の前に絶好の機会が訪れた。
     4thステージへと上がり、凛達に試合を申し込んだ。明日には試合が始まるため、今日の練習にも全員身が入っていたと思う。そのためか、千切は練習が終わりシャワーを浴びると、睡魔が優っていたのかご飯を食べずに割り当てられた部屋へと向かう。潔は睡眠よりも食欲の方が強かったので、シャワー後は食堂へと向かった。
     空腹を満たしてから、潔は部屋へと戻る。部屋に着いたら寝てしまおう、なんて考えながら扉を開けると、千切が掛け布団をかけずに横向きで寝ていた。流石にこれでは風邪を引いてしまうかもしれないと、潔は布団を被らせるために起こそうと千切のベッドの側に近づいた。
    「千切、寝るなら…」
     そして、肩を揺すろうとして、止まった。今潔の目の前には、無防備に投げ出された千切の脚。潔はそっとその太ももに手を伸ばした。
    「…おお」
     触れた太ももは筋肉特有の硬さと、そして予想していた通りの柔軟性が感じられた。とは言え、軽く触っただけなので柔軟性がどれほどあるかを確実に把握できていないが、それでも掌から伝わってくる感覚は潔の理想通りだった。
    「…千切、寝てる…よな?」
     小さな声で声を掛ける。相変わらず心地良さそうな寝息を立てる千切に、少しだけ安堵した。
     そして、潔は更なる欲が込み上げてくる。いつか理想の太ももに出会ったら膝枕をさせて欲しい、と言う欲が。
     潔は寝ている千切をもう一度見る。最初に警戒心の強かったので千切は、些細な物音でも目が覚めているようだった。チームW戦の前のモニターでの会話も、恐らく寝にくかったか眠りが浅かったのではないだろうか。本人から聞いていないので、潔の予想でしかないが。
     しかし、チームW戦が終わり、他のメンバーと距離が縮まってからは千切はよく寝るようになった。むしろ寝起きが悪い時もあったが、チームに馴染んでくれた証拠だったので、誰も追及しなかった。起こすのに苦労していたのは潔と國神だけだったので、他のメンバーからしたら被害がないのも理由だと思うが。
     もう一度確かめるように口元に手を近づけて、呼吸が深いことを確認する。確認できてから、よし、と心を決めて頭を千切の太ももに近づけた。横向きで少し高さがあるが、ここで逃してしまってはもう機会がないかもしれない。一度だけ、一度だけだ、と潔は思いながら頭を下ろす。
     そして、後指1本で願いが叶う、と言ったところで扉が開いた。
    「ふぁ、ねむーい………は?」
    「あ…」
     扉が開いて入ってきた凪とばっちりと目が合う。眠そうな顔をしていた凪が、とてつもなく険しい顔へと変化していった。
    「通報案件」
    「誤解ですごめんなさい」
     咄嗟に土下座をした潔だが、凪の険しい顔が取れることはなかった。

    「やっぱり通報案件じゃん」
    「ちがっ…そうじゃなくて…」
    「お嬢の太ももがドストライクで欲望のままに膝枕したかったんでしょ?変態じゃん」
    「そう聞くと…ちょっとアレだな…」
    「アレなんだよ、バカ潔」
    「申し訳ございません…」
     ぐうの音も出ないとかこの事か、と思いながら、潔は項垂れて凪の言葉を聞いていた。
     部屋で土下座した潔と凪は、千切が起きる事なかったためそのまま寝かして食堂へと来た。その時に凪が自身のベットの掛け布団を千切にかけていたので、潔はあの凪が…と少し感動したのは秘密だ。今それを言うと間違いなく火に油であるのは目に見えている。
     自由時間まで後少しだからか、人が少なくなった食堂の一席を2人で占領して、先程の潔の行動を凪に説明し、現在に至る。
    「凪に怒られると思ってなかった…」
    「は?何言ってんの?」
    「いや、だってお前って面倒くさがって一言声掛けるだけとかにしそうじゃん」
    「あー…まぁ…」
     潔の言葉に、凪自身もやはり心当たりがあるのか、目線を彷徨わせながら曖昧な返事をする。
    「俺らしくないって言われたらそれまでだけどさぁ、チームメイトが変な事しようとしてたら、誰だって止めるでしょ」
    「うっ…そうですね…」
     明らかに潔が悪い立場であるため、反論しようのない潔は素直に再度頷く。凪は「もうしないように」とだけ潔に言って、欠伸をしながら部屋へと戻っていった。潔はその後ろ姿を見てから、ペタリと机に項垂れる。
    「何してんだ…俺…」
     そう呟いてから、潔は呻き声を上げた。
     あの時は間違いなく欲望のままに動いていた。実際にあのまま動いて膝枕をしていたら、何をしでかすかわからなかっただろう。頭を乗せるだけで終われれば良いが、もしかしたらより強欲に他を求めたかもしれない。それがどんな欲かは今は考えたくないので、それに関してはこれ以上は考えない。
     それに千切が起きてしまっていたら、潔は何と言い訳ができただろう。太ももの上に頭を乗せてしまったら間違いなくアウトである。その場面を見られて千切からの信頼を失うのは目に見えて明らかだ。
     そこまで考えて、潔は「何を、しているんだ…」と更に自己嫌悪に陥った。

     自由時間ギリギリまで自己嫌悪に陥っていた潔は、少しだけ復活して部屋へと戻る。重い足取りで部屋の前まで来て扉を開けて、固まった。
    「は?」
     馬狼はいつも通り熟睡している。それはわかる。しかし、問題は凪である。
     凪は自身のベッドで寝る事なく、まさかの千切のベッドで寝ているのである。よく見れば抱き枕にしているではないだろうか。
    「っ!ふざけんな!凪っ!!」
     思わず大声を上げてしまった為に、全員を起こしてしまい、結局潔が怒られる事になった。


     2次選考が終わり、クリアしたチームが1つの場所に集まる。馬狼達が2番目に現れた時に、潔は心の底から安堵した。
     そして、最後のチームが入ってきて、國神が落ちたことを知る。ここは青い監獄だ。生き残れなければ世界一のストライカーになれない。それはわかっていたのだが、こうして現実を突き付けられて、潔は士道に絡みに行ってしまう。
     そして、蹴られそうになったところを千切が助けてくれて、蜂楽が潔の味方に着くように前に出てくれた。2人の加勢に心強さを感じる中、潔はもう1つ意識を取られていた。
     千切は潔の首に腕を回して蹴りを回避してくれたのだが、暫く警戒するように肩に腕を置いて千切は潔の側にいてくれている。その為に、潔の腕に千切の太ももが当たっていたのだ。
     2人の勇姿と絵心の話を聞きながら、潔は腕に感じる千切の太ももの感触を堪能するのと、これから行われるU20戦の話をしっかりと聞く事を同時進行に行えるように脳をフル活動していた。

     U20戦までの練習期間。用意されたメニューと、自身の身につけたい技術の練習を行いながら、当日までに万全の状態になるように備えていく。勝たなければ、この青い監獄は無くなる。ここにいるメンバー全員が、世界一のストライカーの座を得られなくなる。生き残るために、全員が必死に練習をしていた。
     2次選考とは違い、勝ち残ったメンバーの食堂と大浴場は同じ場所の使用になる。部屋は5人ずつで割られているのが、それ以外は周りの者と交流する機会が多い。
    「潔!お風呂行こ!」
     蜂楽が声をかけられて、潔は反射的に頷く。その隣に千切がいたので、少しだけ気まずい気持ちになったが、それは潔が勝手にそう感じてしまっているだけなので、表情には出さないように努めた。大事な試合前に、こんな事でチームメイトとギクシャクしてはいけないと思ったからだ。
    「で、何か言いたい事でもあるのか?」
     だからこそ、風呂上がりに千切に呼び出されて、モニタールームに連れてこられて問い出されているのは予想外の展開で、潔はどう切り抜けようかと頭を回した。
    「何って…何?」
    「それは俺が聞いてんだよ。いつも何か言いたげな目で見てくるじゃん。何か文句であるのか?今なら聞くけど?」
    「文句!?そんなの無い!」
    「じゃあ、あの視線は何だよ。毎回毎回向けてきてるのに『何もないです』は通用しないからな」
    「うぐっ…」
     逃げ場のない状況に、どうしたものかと頭を悩ませる。こっちが勝手に気まずくなってるだけなんです、と言ってもそれで解放してくれるわけがない。何も無いでゴリ押ししようとしても絶対に解放しないだろう。千切は潔が「自分に何かある」と確信した上で、こうして呼び出しているのだから。
     うーん、と唸る潔に、千切は何も言わずに見つめる。我慢比べも覚悟の上らしい。潔が消灯時間まで粘ってくる覚悟はしているようだ。そんなところで無駄な覚悟をしなくていいのに。
     潔はもう一度唸ると、覚悟を決めた。もう引かれてしまったらそれはそれまでだ、と。千切の漢らしさの部分が働いて受け止めてくれるかもしれないし、とちょっとだけ願った部分もあったが。
     力強い目で千切へと視線を向ける。突然試合のような目を向けられて、千切は目を見開いた。潔は千切が何か言う前に、先手必勝とばかりに話し始めた。
    「実は…」


    「変態」
    「申し訳ございません」
    「寝込み襲うなんて最低」
    「すみません。でも未遂です」
    「保険かけてくんな、バカ」
     頭を下げて謝りながらも、しっかりと言い訳を述べる潔に、千切は頭の頂点にある癖毛を鷲掴んで引っ張った。悲鳴が上がるが、気にしない。千切は思う存分引っ張ってから手を離した。
     頭の頂点が痛む中、潔は凪にも変態と言われたことを思い出す。「やっぱり俺は変態なのか…」と少し凹んでしまった。
     そんな潔の様子に、何を考えているのか理解したのか、千切がため息を吐く。
    「あのな、潔」
    「…はい」
    「お前が太ももフェチでも、俺の太ももがドストライクでも別に気にしない。好みは人それぞれだ」
    「あ、はい」
    「ただ、寝てる間に事に及ぼうと考える奴は変態だ」
    「本当に申し訳ございません。もう2度としません」
    「よろしい」
     無事に千切の許しと、潔の少し変わった太ももフェチが容認された事実に潔は両手を挙げる。そんな潔の様子に、千切は暫く好きなように喜ばせてから「で?」と聞いた。
    「え?」
    「え、じゃない。それでお前は俺の太ももをどうしたいわけ?」
    「えーっと…」
    「今の話でこの太ももにそれなりに欲求があるのはもうバレてるからな」
    「欲求とは言わないでください…」
    「要望は受け付けてません」
     先程の様子とは一転、項垂れる潔に千切は容赦なく切り込む。潔としては、この話はもう終わったと思っていたのだから、まさか更なる心の内を晒すハメになるとは思うまい。
     項垂れたまま千切を見ると、最初と同じように潔を見ていたので、やはり言わないと解放されないのだろう。
     潔はまたも、ええいままよ!と覚悟した。
    「できれば…」
    「できれば?」
    「千切の太ももに、その…触れたいし頭を乗せたいです!!」
     勢いよく言い切った潔は、もうこれ以上何も恥ずかしがる事はないと、開き直った。何せ潔の欲求は今はそれが全てである。出し尽くしたのだから当然だ。
    「触りたいし膝枕して欲しいと」
    「…ソウデス」
     あ、やっぱり恥ずかしい事あったわ、と潔は思った。自分の欲望を伝えた相手に、リピートされるのは中々に精神面にクるものがある。リピートしないで、と言いたいが千切がそれを聞いてくれるわけないだろう。潔はどの方向から羞恥心を刺激されても耐えれるように身構える他ない。
    「……わかった。いいぞ」
    「え!?」
     まさかの了承を得れた事に、潔は思わず腰を浮かせる。千切はその喜び具合に、少し目を見開いてから、「ぷはっ」と笑った。
    「そんな喜ばなくても」
    「え、いや、これは…」
    「でも、ただでやってやるとは言ってない」
     ニヤリと笑った千切が、潔の喜びを落とすようにそう言い放つ。落胆しながらも、そもそも膝枕を許可してくれる事に感謝しないといけないよな、と潔は気を取り直した。
    「今度、俺とお前がチームが分かれて試合した時、どんな形式の試合であっても、お前が勝ったら膝枕してやる」
    「…わかった」
     サッカーを持ち込んでの勝負に、潔は口角を上げて頷く。サッカーで勝て、とは、何とも青い監獄らしい条件である。お互いに負ける気が無いからこそ、やり甲斐があると言うものだ。
     そのためにも、まずはU20戦に勝たなければ、と潔は気持ちを新たにした。



     イングランド戦後、久しぶりに4人で行った練習は、そろそろ就寝時間になるために終了した。お風呂や夕食も摂ることを考えると、このタイミングで終わらせなければ寝るのが遅くなるし、何より館内が暗くなるので移動し辛い。
     シューズからサンダルに履き替える千切と、その隣に座って千切に話しかける蜂楽に、潔はこの後戻るのかを確認した。
    「うーん、どうしよう。ちぎりんは?」
    「ここで泊まる」
    「なら俺も泊まろうかな。申請は一応してるし」
    「千切泊まるのか?」
    「おう」
     そう言って立ち上がった千切は、確かに大きめの鞄を持っていた。國神のところにでも押しかけるのだろうか、と思っていると、潔の隣に立つ。
    「お風呂とご飯行こ」
    「え、おう…」
    「何で驚いてんの?」
    「いや、國神に用があるって言ってたから」
    「ああ。もう言いたいこと言ったからこれ以上用はない。むしろあるのはお前」
    「俺?」
    「膝枕。約束だろ?」
     そう言って笑った千切に、潔は驚いた顔をしてから、頬を緩めてしまった。
    「おい、ニヤケんな」
    「いや、だって…」
    「膝枕って何?」
     蜂楽が2人の間に入るように割って入る。それに千切が経緯を話すと、蜂楽は声を出して笑った。
    「潔、むっつりだ!」
    「やめてください…」
    「そう言う訳で、俺はこのむっつりにお風呂入ってから膝枕をする事になってる」
    「なるほど…美人の膝枕かぁ…ねぇ、俺にもしてよ」
    「え、膝枕?言っとくけど、バキバキで硬いぞ」
    「俺、枕は硬い方が好き」
    「左様で…まぁ、いいけど」
    「やった!早くお風呂行こ!」
     千切の了承を得れた蜂楽が、千切の手を引いてお風呂へと誘導する。しかし、潔が千切の肩を掴んで行く手を阻んだ。
    「待て待て待て」
    「潔、どうした?」
    「蜂楽はまだ勝負してない、勝ってない」
    「え、そこ?」
    「俺勝った、蜂楽勝ってない」
    「何でカタコト…むっつり潔にもするからいいじゃん」
    「よく無い。平等にする事が大切だと思います」
     一歩近づいて力説する潔に、千切は「怖っ」と呟く。膝枕の執念はよっぽどだったらしい。
    「千切は蜂楽に甘すぎる…」
    「可愛いからな。つい」
    「へー、ちぎりんにとって俺って可愛いの?」
    「可愛い」
    「なら、可愛い俺のお願い聞いて欲しいなぁ。ね、膝枕して?」
    「いいよ」
    「だからダメ!!」
     叫ぶ潔に、蜂楽と千切は思わず笑う。潔にとっては笑い事では無いのだが。勝ち取った賞品を〝可愛い〟だけで無償で味わえるのは納得のいかない潔だった。
    「…お前ら、早く風呂行け」
     まだフィールドに居た國神が、戯れる3人に声をかける。3人は「はーい」と綺麗に揃った返事をした。
    「きんに君も一緒にお風呂行こ!」
     蜂楽が國神の背中を押しながら部屋の出入り口へと向かう。國神はため息を吐いてなされるがままになっていた。
    「あ、國神もちぎりんに膝枕してしもらったら?」
    「やだ。重いし可愛くない」
    「断り方が地味に傷つくな…」
    「國神残念〜。次は可愛くなって再挑戦だね」
    「ならねぇしやらねぇよ」
     國神と蜂楽の会話に、2人の後ろを歩く千切が笑う。潔はその横顔をジッと見てから、「千切」と名前を呼んだ。
    「蜂楽は相棒だから許すとして」
    「え、何?」
    「お前の太ももは俺のだから、誰にも触らせたらダメだぞ」
    「……」
     千切は潔の言葉に物言いだけな目を向けてから、素早く手を上げて潔の額にデコピンを喰らわす。
    「いでっ!?」
    「俺の太ももは俺のだ、バカ」
     額を抑えて呻く潔に、千切はため息を吐いてから、顔を覗き込むように腰を曲げた。
    「欲しければ俺ごと手に入れてみろ、エゴイスト」
     挑発するように笑った千切は、そのまま蜂楽と國神の側に並ぶ。潔はその後ろ姿を呆然と眺めてしまって、言葉の意味を理解するのに暫しの時間を要してしまった。


    「ちぎりん、あれじゃ潔わかんないんじゃ無い?」
    「それならそれでいいよ。あれ以上言われないと気づかない想いならいらない」
    「わぁ、手厳しい」
    「エゴイストはどっちだよ…」
    「2人とも何か?」
    「「何でもありません」」


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    natsuyamabl4

    DONE頂いたお題のrocgです。
    お題に無理矢理こじつけた感が出てしまいました…軌道修正できず、このまま上げてます…すみません…
    途中でcgがモブに襲われるシーンがありますが未遂になります。モブが苦手な方はご注意下さい。

    roはどこのお店が庶民的でって言うのはわかってるけど、買い物する時の庶民的感覚わかってないだろうな、を前提として書いてます。
    御曹司なroに惚れ直すcgのrocg 千切の体によくフィットした特注のスーツを身に纏って、綺麗で豪華な廊下を歩く。スーツと共に新調した革靴が足音を鳴らして、それに気づいた廊下に控えている使用人たちが頭を下げていく。千切はその人達1人1人に同じように頭を軽く下げると、目的地の扉の前に立った。
     扉の側に控えていた使用人に千切は招待状を渡すと、扉を開けてくれた。扉の奥には、綺麗に着飾った人々の姿。
     庶民の千切には、まるでファンタジーの世界のように見えるその場に、小さく息を吐いてから、一歩踏み入れた。


     千切が本来であれば踏み入れることのないパーティーに参加する事になったのは、数週間前の事だ。自宅に1通の手紙が届いた。
     送り主は、スポンサー会社の会長の娘。手紙の内容は、今度開かれる企業の主要人物が集まるパーティーへ招待したい、と書かれていた。
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