ぱく美さんからいただいたkicg 自分を映してその内に捕えるブルーサファイアの美しさに、千切の吐息は奪われた。その宝石を宿した男は、造られたように整った相貌を融かして千切に微笑みかける。心臓に悪い、千切がそんな素直な思いをどれほど抱えようと、カイザーが攻勢を緩めることは決して無い。それを分かっているから、千切は軽く唇を喰み、その長い睫毛を微かに震わせて堪える。そんな姿ほど自分を唆らせるのに、気付いていないところまで愛おしくてたまらない。敢えて言葉にせずその気持ちを乗せ、カイザーは千切の内腿に唇を落とした。
「それ、やだ」
「何故?」
笑みを含ませたその声音に、千切が惑って眉尻を下げる。
「…なんか、恥ずいだろ」
「どうして? 美しいものを愛でることは当然だろう」
右膝の傷跡に触れる唇の感触に、ぞわぞわと肌の表面を微弱な電流のような快感が滑っていく。それを逃がそうと身を捩る千切の身体をそっと引き留めながら、カイザーは目を細めた。
そして、千切はまたカイザーから齎される快感に悶え、伏せた睫毛を震わせることになった。カイザーはそれはそれは愛おしげに千切の肌にキスを降らせ、蕩けた視線を投げかける。その砂糖漬けの瞳に絡められて、自分の思考までどろどろに融けていくのを、千切はぼんやりとした意識の中で追っていた。
「綺麗だ、ヒョウマ」
もう許してくれ、そんな心内の叫びが、その一言に崩される。千切が咄嗟に伸ばした指の先がカイザーの後ろ髪に引っかかり、ぐっとそれを引き寄せる。
「…もう、いいから」
千切の両の手の指先が、カイザーの頬にそっと沿わされる。潤んだ千切の瞳が煌めく様に、その瞬間、カイザーは息を留めて見惚れていた。
「俺が…もう、我慢できない」
上擦って掠れた声音で紡がれた言葉が鼓膜を揺らしたころ、引き寄せられるように手を伸ばしていた。眩いほどうつくしい自分にとっての宝石を、指先で愛しんでカイザーは目を細めた。