n回めのデートマシンによって淡黄色の生地がまるく伸ばされていく。薄くひろがった部分からたちまち湯気がたち、うっすらと香ばしく色づいた。バターの華やかな香りと、胸を満たすような砂糖の甘い匂いに、うっとりと鼻呼吸した。
「ほぁ…いいにおい。こんなに薄く焼けるのすごいなぁ…」
クレープが作られていく様子というのは、どうしてこうも人を惹きつけるのだろうか。初めて見るわけでもないのに、いざ目の当たりにするとわくわくしてしまうのだ。ガラス越しに見える焼き場の前で悩ましげにため息をつく。
スレッタは学園フロント内ショッピングエリア、フードコートにあるクレープカフェに来ている。客である生徒が多くメニューも豊富だ。機械が生地をどんどん焼いていく横で、スタッフが手作業ですばやくクリームやフルーツをのせていくさまは目に楽しかった。
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