アサアカ小話1 なぜか、アカネが髪をポニーテールにしている。
伸びてきて邪魔なだけなのだろうけど、一瞬ダイニングテーブルのアカネの席に女性が座っているのかとびっくりした。
思わず後ろからじっと見てしまう。
無造作に束ねられた髪。
普段首筋にそって自由に跳ねている髪は、まとめられるとストレートにならずにふんわりしている。
きりっとした顔立ちと、しゃんと伸びた背筋とのギャップがとても良い。
そして髪が揺れるとちらりと見える白いうなじ。
うなじだけが極端に生白く感じて、少なからず腕や顔は陽の光に晒されているのだということと、普段晒すことのない肌の色を自分だけが知っている背徳感がゾクゾクと脳を蝕んでいく。
今まで弟をそんな目で見たことはなかったはず、だが、…はっきり言ってかなりグッとくるものがあった。
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