ウサギさんの幸せな日々ショーウインドウを眺めていくヒトを見ているのは面白かった。
けれど、その瞬間はついに来た。ちいさなオンナノコの手に抱かれた後、そのコのお母さんに紹介された。
その日の内に眺める場所がショーウインドウではなくダレかのイエになった。
「紅茶をどうぞ。」
目の前に出されたのはニセモノの紅茶の入ったティーカップ。
「あなたはお話ができるの」
「そう、お母さんがうさぎだったから言葉がわからないのね。」
返事ができてもできなくても、きっとオンナノコは私を相手に一人で物語を進めていく。
ただじっと見ていればいいだけ。
オンナノコがいない時は窓から道行くヒトを見ていた。
オンナノコのアソビバは外にもあったかわいい柄のシートを敷いた上でいつもの通りオチャカイが開かれる。
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