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    oritkrv0120

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    POIPOI 27

    oritkrv0120

    DOODLE何にも分かってないけど雰囲気だけで何とかしようとしてる滅茶苦茶なにわかが書いてます~
    全てがいい加減……

    エグシャリのザベ君が一晩過ごしたあくる朝にシャリアさんの朝ごはんを作る話
    こっち向いてよ、モーニングダーリン!「♪♪♪~」

    男が鼻歌交じりで、手にしたフライパンの上にベーコンを載せる。貴重な分厚い二切れを慎重に、油を引かず、弱火で揺らさず、じっくりと。多少時間はかかるが、焦ってはいけない。やがて熱を与えられたベーコンが、ジューシーな肉汁を溢れさせながらぱちぱちと弾けだす。軽やかな音色だ。ふわり、強烈な旨味の気配を漂わせて、狭いキッチンスペースに香ばしい燻製の香りが広がっていった。よし、ここからはタイミングか肝心だ。決して焦がさず、しかしだからと言って焼きが甘くもない絶妙の塩梅に仕上がるように。表面はカリカリ、中からはジューシーな肉汁があふれ出す瞬間こそがベーコンの真骨頂なのである。ふちが僅かに縮み、裏面に綺麗なきつね色の焦げ目がついたのを頃合いにして、エグザベ・オリベは卵を二つそこに割り入れて蓋をした。目玉焼きは取り合えずこれでよし。オーブンの中にはベーグルと半分に切られたトマトが、綺麗に二つ並んでしゅうしゅう音を奏でている。フライパンの隣のケトルの湯は、もう後わずかで湧きたつ頃合いだ。とっておきの果実も良く冷えていて、つやつやと美味しそうである。緑の色彩も鮮やかなリーフの水気を切って皿に移したエグザベは、そろそろか、と全ての火をいったん止めてキッチンを後にした。
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    takamura_lmw

    DONE桜流しのさめしし、もしくはししさめ。ハッピーエンドです。ほんとなんです。メリバでもないキラッキラのハピエンなんです。信じてください。

    これがずっと出力できなくてここ一ヶ月他のものをなんも書けてませんでした。桜が散る前に完成して良かったと思うことにします。次はお原稿と、にょたゆりでなれそめを書きたいです。
    桜流し 獅子神敬一が死んだ。
     四月の二日、桜が散り出す頃のことだった。



     村雨にその死を伝えたのは真経津だった。
    「——は?」
    「死んじゃったんだって。試合には勝ったのに。獅子神さんらしいよね」
     真経津は薄く微笑んで言った。「獅子神さん、死んじゃった」と告げたその時も、彼は同じ顔をしていた。
    「……いつだ」
    「今日。ボク、さっきまで銀行にいたんだ。ゲームじゃなかったんだけど、手続きで。そしたら宇佐美さんが来て教えてくれた。仲が良かったからって」
     村雨はどこかぼんやりと真経津の言葉を聞いていた。
    「あれは、……獅子神は家族がいないだろう。遺体はどうするんだ」
    「雑用係の人たちが連れて帰るって聞いたよ」
    「そうか」
    「銀行に預けてる遺言書、あるでしょ。時々更新させられる、お葬式とか相続の話とか書いたやつ。獅子神さん、あれに自分が死んだ後は雑用係の人たちにお葬式とか後片付けとか任せるって書いてたみたい。まあ銀行も、事情が分かってる人がお葬式してくれた方が安心だもんね」
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