夢の中へ、金平糖を。 恋をしたのは、いつだっけ。
何をしても足りなくて、足りなくて。
もっとあなたと一緒にいたいと思ったのはいつだっけ?
たくさんの色で満たしてくれる
「……ん……」
カーテンの隙間から夜空の色が見えて、月明かりがふわりと黒髪を照らす。
眠くて目を擦って、時計を見てみても。まだ時間は朝にも手を伸ばしていない。
「……イサンさん? 何処に行くんですか?」
呼びかけてもイサンらしき人物は振り返る素振りすらせずに、立ち上がり、寝室の外へと向かう。聞こえていなかったのかなとホンルも後を続いて眠い目を擦りながら地に足をつけようとしたその瞬間。
ガタンと体が高い場所から落ちた気がして思考が覚める。
目を見開いてイサンの方を向けば、彼は振り向いていて悲しげに笑っていた。
2487