🐬「反省はしてるけど後悔はしてな、アッごめんなさ」"チェンジズ"!!
街の中、突然フィンの声が聞こえた直後、目の前の景色が変わっていた。入れ替わったのだと理解したのは、先程まで自分が立っていた位置で崩れ落ちる弟の姿が見えてからだった。
「フィン?!」
「フィン君!」
待ち合わせでもしていたのだろう、マッシュが道の向こう側から走ってきた。
「っは、兄さま、怪我は、ない?」
フィンは紅く染まった脇腹をおさえ、眉を寄せながらもこちらに笑いかける。脇腹には小ぶりのナイフが刺さっていた。レインは即座に庇われたのだと気づき、唇を噛んだ。
「今止血を、」
「おや、外したか」
建物の影から一人の男が姿を現した。フードを深く被り目元は見えないが、口が弧を描いている。フィンを刺したのはこの男のようだ。
男は臨戦態勢のレインにニヤリを笑いかけると、不意に杖を動かした。
「っぅあ”」
フィンの苦しげな声がレインの耳を突いた。見るとナイフがひとりでに動き、更に深く刺さろうとしていた。フィンは手でナイフを掴み抵抗しようとしているが、痛みで力が入らないのだろう。血に濡れた手が震えていた。すぐにマッシュがフィンを支え、ナイフを掴み力を込め動かないようにする。
レインは瞳に殺意を迸らせ、男を睨めつけた。
「お前が狙っていたのはオレだろう、こいつは関係ない筈だ」
「ふふ、それもそうだな。悪い悪い」
男が杖を下ろすと、ナイフが抜け落ちカランと音を立てた。
レインは治癒魔法のかかったハンカチを傷にあてがい、気を失ってしまったフィンの頬をするりと撫でる。
「…フィンを頼む」
「うす」
この後数秒で敵をボコボコにするし傷が治った後フィンくんにはしっかりお説教する。マッシュもフィンくんにメッてする。