ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉓話「老婆と七人の小人たち」 ディアヴァルに急かされて、老婆に扮した女王は森の中へと走り込んでいった。
ディアヴァルが空に舞い上がって偵察してみると、木立の隙間からちらちらと、小人たちが転んだり滑ったりしながらも家を目指して走っているのが見えた。あいつらあんなに足が短いくせに、なんであんなに早いんだ? それなのに、老婆の姿の女王は早く走ることが出来ない。早くも息をはずませて、苦しそうに走っている。ディアヴァルは女王の直ぐ側まで舞い降りると、枝から枝へと飛び移りながら女王の後を付いて行った。
女王は森の踏み分け道を走って戻っていく。その後ろから、大声で叫ぶ怒った小人たちの声がかすかに聞こえ始めた。このままでは追いつかれてしまう! どうすれば良いのだろうか? ディアヴァルは女王のそばを離れ、小人たちの方へと戻っていった。
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