「くすり…薬……抑制剤は、どこだ…薬を飲んでから効果が出るまで1時間かかる、早く飲まなければ……、」
レヴナントはごくごく稀に、何かの薬を飲みたがる時がある。虚ろな表情でさ迷って、薬はどこだって唸るんだ。
「君は機械だから薬は飲めないし、飲む必要もない筈だ。どこか痛むの?ダメージを受けてるなら修理室に行った方がいい。歩行に支障をきたしているなら僕が連れていくよ。」
飲めもしない薬を探して時間を費やすくらいなら、すぐ修理室に行くべきだ。でもレヴナントは修理室に行くのが大嫌いだから、きっと機嫌を悪くしちゃう。あとで謝らなきゃね。
「黙れ!!お前が…………いや、違う、あぁそうだ。お前の言うとおりだ」
前言撤回だ。今日のレヴは本当に調子が悪いみたい。そして彼の調子が本当に悪い時は、大抵が「機体の損傷」ではなく「プログラムのバグ」が原因なんだ。
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