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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    食べ物作る🦍と🐇の話
    ※以前書いたロランベリージャムの続き

    ##ディンエラ

    ロランベリーシロップ ジャム作りで余ったロランベリーを分けて欲しい、と切り出したルガディンにいくらでもどうぞ、とヴィエラは返した。
    「独り占めするの?」
     彼女の問いにそんなつもりはない、と彼は苦笑した。
    「腐らせるぐらいならシロップでも仕込んでおこうかと思ってな」
     シロップ、と繰り返した彼女が難しいの?と首を傾げる。いや、と必要な器具を準備しながら彼は返す。
    「火を使わない分、ジャムより手軽だとは思う」
     砂糖に手を伸ばした彼を眺めながら、見てていい?と彼女が尋ねる。ご自由に、と彼は笑った。
     細かく賽の目に刻んだロランベリーをスプーンで掬い、煮沸消毒した瓶に入れていく。瓶の底一面に満遍なく敷き詰めた上を埋めるように砂糖を加え、またロランベリーを均等に詰めては砂糖で埋める。詰めて埋める作業を刻まれたロランベリーがなくなるまで交互に繰り返した。
    「あとは出てきた水分が全体に行き渡るように揺するようにして、数日間待てば完成だ」
     使用した調理器具を洗いながらルガディンが呟いた。
    「めっちゃ簡単じゃん……」
    「水分のある果物ならベリー以外にも使えるからな」
     柑橘類でも作れたぞ、と彼は笑って続ける。
    「加熱しない分、果物によっては綺麗な色のシロップができるのもいい点かもな」
     へぇ、と呟いたヴィエラが砂糖塗れのロランベリーが詰まった瓶を見つめながら訊く。
    「このシロップ、出来上がったらどうするの?」
    「なんでも使えるぞ」
     炭酸や酒で割ってもいいし、砕いた氷にかけてもいい。この間の紅蓮祭で食べたかき氷を思い出したのか、頬を緩めていいねと呟いた彼女にルガディンは頷く。
    「試してはないが、紅茶やヨーグルトに入れてもいいかもな」
    「それ美味しそう!」
     わぁあと目を輝かせたヴィエラに、ルガディンが瓶を一つ差し出す。いいの?と目を丸くした彼女にお礼代わりに、と彼が目を細めた。
    「ベリーの?」
    「それもあるが、日頃の礼の方が大きいかもな」
     簡単なものだが、と苦笑した彼にありがと、と彼女は瓶をかざす。ベリーから染み出した果汁が砂糖に浸透し、微かに紅く染まっていた。
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    mitotte_kazu

    PASTアルバートと🐇さんの香水ネタ
    無粋と香水 部屋に戻ってきたヴィエラが疲れたようにベッドに倒れこんだ。お疲れさん、と姿を現したアルバートに疲れたぁ、と布団に顔を埋めたままくぐもった声で返す。
    「罪食い多すぎ……」
    「仕方ないだろう」
     ぼやいた彼女に彼が短く返すとうー、と何かを訴えるように呻いた。ベッドに歩み寄り、腕を組んで彼女を見下ろす。
    「ほら、飯でも食え。腹が減ってはなんとやらだ」
     わかってるぅ、と呟いた彼女がのろのろと起き上がる。と、その首元にアルバートが顔を埋めた。形容し難い声を漏らして後ずさった彼女に彼は無邪気に尋ねる。
    「香水か?」
     花の匂いがする、と首を傾げたアルバートに一瞬の間を置いてヴィエラは頷く。
    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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