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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    結構な期間一緒に居る🦍と🐇の話

    ##ディンエラ

    失念 光の戦士と呼ばれるヴィエラから、数歩引いた所でルガディンは佇んでいた。依頼を終えた彼女に礼を述べ、ささやかな品を差し出した住人ににこやかに応じていた彼女が大きく手を振りながらこちらへ駆け寄ってくる。
    「見て!果物くれた!!」
    「良かったな、後でもらおう」
     美味そうだと微笑んだ彼の左肩の上で、妖精も嬉しそうに羽を震わせた。
    「……てかさっきの戦闘、ちょっと無茶したでしょ」
     彼女から荷物を受け取り、なんのことやらと彼は首を傾げる。
    「迅速魔のリキャストより詠唱早かったもん」
    「ルインラは無詠唱で撃てるんだ」
     間髪入れず返してきた彼に彼女は頬を膨らました。
    「あの威力はルインだったもん!」
     付き合いが長いだけあって、その辺りの見極めができるようになったか。彼は微かに口角を上げる。
    「さてどうだったか……俺ももういい歳だから覚えていないな」
     誤魔化した、と不満げな彼女に彼は目を閉じてそんなことはないぞ、と返した。
     ラザハンのエーテライトの片隅に腰を下ろし、先程貰った色鮮やかな果物の皮を剥く。手慣れた様子の彼女から目を離し、雑踏に視線を向ける。様々な種族や色鮮やかな掛け物などに目眩がしそうになった。
    「はい」
     ずい、と左側から切り分けられた果物が視界に入ってくる。数回瞬きをして、果物を差し出してくる彼女に視線を向けた。美味しいよ、と差し出してくる彼女に手を伸ばすと、さっと腕を引かれる。微かに白色が目立ってきた後頭部を掻き、先程まで見ていた雑踏を思い出す。自分が思っている以上にそれらは彼ら自身に無関心だろうと考え、彼女が差し出してくる果物に口を近付けた。瞬間、口の中に果汁と爽やかな酸味が広がる。予想以上の酸味に反射的に険しい表情をしていたのだろう、彼女が驚いたように身を引いた。何回か咀嚼していく内に甘味も出てきた。
    「……最初は酸っぱいが、美味い」
     感想を待っているような彼女に端的に伝えると、本当に?と返される。もしやその反応は、と問い正す前に自分の分を頬張った彼女が酸っぱい!と眉間に皺を寄せた。彼女の嚥下を待ち、もしかして、と声をかける。
    「や、初めて見た果物だったし」
     悪びれず返した彼女の左頬を摘んだ。いひゃいいひゃい、と大袈裟に騒ぐ彼女から手を離す。痛がる彼女を心配したのか、二人の間に飛び出してきて光の癒しを使おうとしたセレネを制した。す、と左肩側にセレネが戻ったのを確認し、二人で残りの果物を食べた。
    「美味しいけどやっぱり最初酸っぱい……」
    「少しハチミツとか足して、シロップやゼリーにしてもいいかもな」
     口元についた果汁を指で拭っていると、彼女がハンカチを差し出してきていたのに気付く。持ってるからいい、と伝えると、微かに怪訝そうな表情を浮かべられた。自分のものを取り出し拭き直した。
    「もしかして、見えてない?」
     一瞬だけ動きを止めた彼から少し身を引いて座り直し、今までよりも更に彼の左後方に腰を下ろす。そっと中指だけ立てた手を彼の肩越しに見えるように向けてみた。これが彼の目に留まればすぐさまやめなさい、と中指を折り畳まれるはずだった。少し首を動かし振り向いた彼は小さく溜息を吐く。
    「みたいだな」
     普段通り、平坦な声で彼は答えた。いつから、と小さく震える声で聞いてきた彼女に意識したのは今日からだな、と彼は曖昧に返す。その返答に苛立ってしまったヴィエラの眉間に皺が寄る。
    「通りで最近見落としが多いと思った」
    「言えよバカァ!!」
     こともなげにそう宣った彼に彼女は思わず怒鳴ってしまった。彼は何も言わないで立てられたままだった彼女の中指を折り畳み、その手を握った。それでも不満そうに唇を尖らせた彼女があ、と何かに気付いたように顔を上げる。
    「セレネちゃん!!」
     バレた、という顔を一瞬浮かべた彼がセレネがどうした、と普段通りの口調で尋ねてきた。
    「左肩!定位置になってる!!」
     興奮のあまり文章で話せていない彼女に思わず苦笑してしまう。笑い事じゃない!と声高に叫んだ彼女に、落ち着くよう声をかけてなだめた。
    「落ち着いてられるか!!」
     ばーか!!とまで罵られてから肩で息をする彼女が乱暴にもたれかかってくる。相変わらず形の良くお洒落に余念のない彼女の後頭部を、皺も増えて筋張った彼の掌が優しく包んだ。
    「……俺ももういい歳だからな」
     ぐり、と彼の脇腹に頭を擦り付け、小さな声で知ってる、と彼女は呟いた。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
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