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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    初回カフェでっかわの忘備録的なもの。色んな人を覚えているだけ。問題あれば消します

    でっかわ「カフェの店員をやらないか?」
     唐突に知人のルガディンであるユウに誘われ、予定もなかったため困っているならとカズは了承する。業務内容を確認すると、ただご飯を食べるだけで良いのだと返された。業務?と首を傾げていると、
    「ルガディンやロスガルが美味しそうに食事しているところが見たい富豪?がいるんだ」
     朗らかに笑いながら続けられた。報酬等の出所もそこからかと腑に落ち、なるほどと頷いていると、そうそう、と更に付け足される。
    「メイド服で」
     先ほどより表情の険しさと角度を増しつつ首を傾げたカズに、そうなるよなとユウは楽しそうに笑った。
    「そういうコンセプトカフェをご所望だそうだ」
     持ってなければ衣装も支給されるのだという。彼らが所持する土地がゴビュレットビュートということも含めて、果たして信用していい筋なのか不安にもなりかける。しかし彼の人柄などを考慮すると純粋にそういう好事家なのだろうと思い、受けた依頼などの都合で少し遅れるかもしれないと事前に謝罪しておいた。
    「そういえば、メイド服はあるのか?なければブライズメイドドレスが支給されるんだが……」
     全然構わない、と笑顔で快諾してくれたユウが念の為、と確認してきたので、諸事情でたまたまメイド服を所持していると返しておいた。

     そういうわけで思ったより長引かなかった依頼を終え、コンセプトカフェの会場となったジャックのハウジングまで足早に向かう。伝えていた時間より少し早いか、と思いながら扉を開けると既に店内には疎らに客が座っていた。自身に注がれる視線に少し気恥ずかしさを覚えながら、メイド服に着替える。
    「2個もいらないよねって」
     ユウと談笑していたミコッテの男性が発した一言がひっかかる。笑顔で酒を煽りながら話す彼には見覚えがあった。以前エールを片手に店内を漂い、気さくに声をかけ試作品の薬を配っていたミコッテだった。ユウから渡された飲み物で喉を潤しながら思い出しつつ耳を傾けていると、内容的に内臓の話らしくやや不穏な気配が漂ってきた。この店の主催らしく、金の出所を察して安請け合いしてしまった事を少し後悔する。内容の重さとは裏腹に店内を眺める彼の表情は満足気で、先程の話さえ聞いていなければ良い事をしたと思える程だった。腎臓かその辺りが妥当か、と思ってしまった自分に嫌気がさしながら、空になったジョッキをカウンターに置いた。

    「ルガディンで並んで長椅子座ったらどうなるんだ?」
     端正な顔立ちのアウラが無邪気に尋ねてきた。スタッフのルガディン達が誰となしに顔を合わせ、それぞれ首を傾げたり頭に手を添え考え込む。エオルゼアの物品は各種族が使用する事も考慮されているため、職人達のこだわりなども含め頑丈に仕上げられていた。しかしわざわざそんな体格の良いルガディンやロスガルが一堂に会する機会もなく、どうなるかなどと試したこともないだろう。流石に壊れるんじゃないか、いや大丈夫だろうと部屋の隅に設置された椅子に1人ずつ座っていった。少し無茶ではと思うぐらいの密度で腰掛けていくルガディン達がどこか面白く、つい苦笑してしまう。みっちり、と形容されそうな程のルガディンが座るカウチはそれでもしっかり彼らの体重を支えていた。大丈夫だった、やっぱ頑丈だなとどこか安心したように口々に呟く彼らの前で、件のアウラは満足気に微笑んでいた。

     少し席を外し、一階に戻ってきたユウが店内を見渡し口を開く。
    「地下に酒や食料補充してきたから、ゆっくり休みたい奴は下でもいいぞ」
     それを聞いた主催者のミコッテとその友人らしきルガディンが飯!酒!と駆け降りて行くのを見て、かつて別の機会で訪れた時を思い出した。あの時の家具の選択やレイアウトも凄かったが、店主のマメさからするにまた当時と異なったハウジングなのだろう。また後で覗かせてもらおうと思った矢先、
    「邪魔するよ」
     凛とした佇まいのルガディンの女性が店内に入ってきた。すらりとした長身で立っているだけでも絵になるが、どこか知人に似た面影を感じ見入っていた自分の背後からユウがはいよ、と短く返す。慌てていらっしゃいませ、と声をかけながら、今の掛け合いすら様になっているなと二人を眺めた。

     勢い良く開いた扉から入ってきたエレゼンが興味深そうに店内を見回す。
    「なんか面白い店があるって噂で聞いて来てみたんだぜ!」
     ふんふんと興奮気味の彼に、ユウは注文を取りカウンター越しにジョッキを渡した。腰を下ろし受け取ったジョッキを一気に煽り、彼は嬉しそうに深く息を吐く。冒険の後の酒はたまらねぇな!と満足気な彼の足元をダストバニーが彷徨いていた。その様子を眺め可愛いな、とユウが声を掛けると、あぁ、と彼は傾けていた残り少ないジョッキを一気に飲み干し、差し出してくる。
    「一人前のモンクになりたいダストバニーでな、弟子入りさせてんだ」
     店内の視線が件のダストバニーに集中する。なるほどと頷き、おかわりの確認を取ったユウに彼は嬉しそうに同じものを、と返した。
    「腕より耳のがリーチが長いんだけどな」
     何杯目かの酒を堪能しながら彼が溢した呟きに、
    「耳で殴るのかもな」
     凛とした佇まいのルガディンの女性が柔らかく微笑んで小さく返した。

    「いらっしゃいませ、」
     扉が開く音で反射的に口走りつつ向けた視線の先には見慣れたヴィエラが佇んでいた。思わず硬直したカズの反応に満足したように、にんまりと口角を上げて彼女は微笑む。知人の来客時は席への案内を頼むユウに倣い、彼女を案内した。へぇ〜、ふぅ〜ん、とにやにや笑う彼女にいっそ殺せと思いながら注文を取る。酒や雰囲気を堪能した彼女に地下室の話をすると、目が輝き出した。店内も落ち着いており、ユウに了承を得てカウンター内を通り地下室へと向かった。
    「あ、」
     壁に飾られた見慣れた魚拓を見て、二人して足を止める。うちのと一緒だ!とはしゃぐ彼女にそうだなと同意した。以前ユウ達が主催したイベントに参加した際に貰ったものを自室に飾っていたが、その時を思い出して微かに頬が熱くなる。楽しかったねぇ、と頬を緩ませた彼女にまた頷いて答えた。
     地下室は昔とまた違ったレイアウトになっており、個室のように仕切られていた。
    「あ〜なるほど……!あの家具をこう置いてるんだぁ……」
    「置いてあるものは好きに食べてもいいらしい」
     興味深そうに室内を見渡していた彼女に伝えると、用意された高級そうなカウチに腰を下ろし隣をてしてしと叩かれる。

     隣に座って、のサインに応じて腰を下ろすと卓上の籠に盛られた葡萄を一粒摘み頬張ったヴィエラが美味しそうに歓声を上げた。美味しいよ、と摘み上げたもう一粒を差し出され、思わず身を引いてしまう。そのまま少し硬直していると、はいあーん、と彼女の形の良い唇が微かに開く。周囲に誰もいない事を確認してから口を微かに開くと、問答無用で葡萄を詰め込まれた。
    「しるこさんの好きなパインあるぞ」
     籠に視線を戻したカズの呟きにパイン!と彼女が目を輝かせる。本当に好きだなと苦笑しながらナイフを手に取った。上と下を切り落とし、半分ずつカットするようにナイフを入れる。1/8程度に分け皮と果肉の間に刃を入れ切り離した後、一口サイズに切り分けた。
    「剥けたぞ。パインは下の方が甘いから、頭側から食うのがいいらしい」
     だから保管する時は逆さに置いておくと甘味が均等になるらしい。蘊蓄を傾けながら残りをカットしていく。わかった〜、と嬉しそうに挙げた手をカットパインに伸ばした彼女の手が止まり、こちらに視線を向けられる。
    「残ったらカズ食べてね」
     悪戯っぽい視線に苦笑しながら、食べ過ぎたら舌痛くなるから程々にな、と返した。美味しいんだけどそれがね〜、と不満そうに頬張ったパインの果汁が溢れそうになったのか、口元を抑え彼女は頬を緩める。そんな彼女につられて笑いながら、彼もパインを摘んだ。
    「そんなうんちくいいから違うやつも剥いて〜」
    「む、」
     流石にパインだけだと飽きてしまうのか、我儘とも取れる彼女の発言に苦笑し果物籠の中身を確認する。違う食感と風味のものが良いかと梨を提案してみると、いいよ〜、と了承された。
    「正直しるこさんのが剥くのは上手いんだが……」
     パインより剥きやすい梨をカットし皮を剥きながら独りごちてしまう。そんなカズの様子を彼女がにんまりと頬を緩め頬杖をついて眺めていた。
    「メイドらしいことはさせてもらわないとな」
     切り分けた一切れを彼女に差し出すと、そうそう、と身を乗り出して来られる。
    「今は私のメイドさんなんだから!」
     2人きりの室内で意味もないだろうに、私の、を強調しつつ言った彼女の唇が瑞々しい梨に齧り付いた。自身も果物は好きなので瑞々しい梨を咀嚼しているとリンゴもある!と彼女が籠から林檎を取り出してくる。
    「ねぇねぇ、剥いてよ〜」
     楽しそうな彼女に手渡された林檎を等分しつつ、絆されているとつい苦笑してしまう。皮を兎の耳の形に飾り切りをした林檎を差し出すと、悪戯っぽく微笑んだ口をあ、と開かれた。無防備に開かれたヴィエラの小さな唇でも食べやすい大きさに、無意識に剥いていた林檎を差し出す。小気味よく瑞々しい音を立てて咀嚼と嚥下される林檎を堪能する彼女を眺めていると、もいっこちょ〜だい、とまた口を開かれた。人の家の地下で何をやっているんだと思ってしまうが、下ろした視線の先のメイド服の時点で何をやっているのかと苦笑ものだった。
    「そんなに器用だったっけ?」
     最後の一切れのうさぎりんごを摘み上げたヴィエラが呟いた。不器用を自称する彼にしては意外と綺麗に仕上がっている。
    「これぐらいの飾り切りならできるぞ?」
     妹によくねだられたからな、とナイフを片付け果物の皮などのゴミを処理しながら彼が答える。
    「リーフカットまでは無理だが……」
     ビスマルクで見かけた芸術的なフルーツの盛り合わせを思い出しながら苦笑した。と、上からいちゃついてるところすまん、とユウの大声が聞こえくる。彼女に一言謝り、また騒がしいフロアへと向かった。
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    Replies from the creator

    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    mitotte_kazu

    PAST🐈🐇🐑🦍が美味しいものを食べるだけの話
    会食 立て続けの依頼を終え、ようやく一息つけるとヴィエラは適当に目についた店に入った。食事時から外れた時間帯もあって、まばらに空いた座席に腰を下ろす。そのまま倒れ込みそうなのを堪えてメニューを開いた。季節限定などのメニューも魅力的だったが定番で当たり外れのない、無難なものを選んで注文する。こんな疲れた時に、そういうメニューでハズレを引きたくないという打算だったが、他のテーブルに目を向けてみるとそうでもない気がしてきた。それでも穏やかな店員の対応に少し癒され、メニューを眺めながら頼んだ品が来るのを待つ。少しの時間を置いて、飲み物と共に運ばれてきたパンを齧る。さっくり焼き上げられた表面ともちもちした食感が楽しく、口の中に小麦の甘さとバターの風味が広がった。好きなやつ、と思いながらパンを頬張る。サラダとかスープも頼めばよかったかな、と思いつつ空腹も少し落ち着き、店内を見渡した。インテリアなどにも拘られており、居心地は良い。テーブルや椅子の高さも種族ごとの配慮もされていた。もしや割と良い出会いなのでは、と皿に載っているもう一つのパンを齧りつつ、頬を緩めた。
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