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    五十嵐

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    五十嵐

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    毎日モブノス 6日目
    会話メイン

    9月30日(6日目)9月30日(6日目)
     1時、既に起きていた。新鮮な血は一滴残らず飲み干されている。吐瀉物はやはりブランケットで拭かれていた。回収し、新しい物を置く。
    「こんばんは、ノースディン。今日は、そうですね。私に慣れてもらう為、優しく愛撫するだけ。お話でもしながらね。」
     牢に入り、近づくと、気丈に振る舞おうとする意思の光る瞳に貫かれた。安心した。彼の心は虚無に堕ちていない。
     壁に寄り掛かり座る彼の隣に、私も腰を下ろす。近くで観察すると、汗が額を伝うのが見えた。私を射殺さんと睨みつけているが、恐怖心から来る虚勢であることを、その汗が物語っている。
     背中に手を伸ばす。びくり、と肩が跳ねた。強張りを解すように、優しく摩る。感触でわかるほど肌が粟立ち始めた。
    「一族について聴かせてください。竜子公とは普段、どういったお話をされるんですか。」
    「貴様に語る話などない。」
     質問するが、突っぱねられた。拒絶を一度決めてしまえばそれを崩すのは難しい。矛先を変えることにした。
    「では、別の方のお話を。かつてはヤハウェだのと名乗っていた、あの名を持たない吸血鬼ぶった男とも、仲がよろしいのでしょう?」
    「誰があのクソ黄色とッ!」
     かの堕ちた神の名を出すと簡単に釣れた。感情を昂らせた彼は、嗜虐欲を誘ういじらしさがある。やはり虐めてやりたい。しかし、「優しく愛撫して会話をするだけ」と言った手前、それを反故にするのは主人への不信を生む。  
     試しに肩を抱き寄せ、顔を近づけると、鼻頭に頭突きをしてきた。良かった、これで罰を与えられる。
    「ッ!?」
     後頭部を握るように掴み上を向かせて、正面に来た額に、爪を立てる。流血によって、私の名を刻む。
    「…………う゛…………?」
     頭を怪力で潰されるのではないかと恐怖しているのだろうか。見開かれた瞳が揺れている。何をされているのかもわからない彼は、首根っこを掴まれた猫のようだ。中途半端に手を上げて固まっている。
     刻み終わって、頭を解放した。皮膚の破ける痛みに小さく呻き、震える彼を安心させるように、私は告げた。
    「貴方は誰かに仕えるのが似合っている。創造神にも、破壊神にも、その子らにも見放されようが、私が貴方の主となって、導いてあげますからね。」
     ヤハウェや竜大公に対抗心を燃やしている自分がいる。お気に入りの玩具を盗られたくない、幼稚な独占欲だ。
     未だ彼は震えている。頭を撫でたら、今度は怒りで身体を震わせながら睨まれた。
     気にせずに、頬を撫でる。口端を歪ませ、ひくひくと引き攣らせている。顎の下を撫でる。拳を握り締めて、殴りたい衝動を抑えているようだ。殴ってこないのは、学びが見られて感心である。
     顎下から指先でなぞるように撫で、喉仏、鎖骨の間を通り、胸部で止める。筋肉によりなだらかに盛り上がるそこを揉み、先端を弾く。反応は無い。掻いても、摘んでも同様だ。
    「やはり感じませんね。貴方は快楽に身を窶したことのない、真面目な生き方をしてきたのですね。」
     乳首の感度だけでそんなことが判るわけもないが、軽く性生活を探る為に当てずっぽうを言ってやる。少しも狼狽えず「当然だ」と言いたげな顔でどっしり構えている。実際そうなのだろう。
     そう伝えた後も、硬度を持たないそこを弄り続けていると、状況を俯瞰で見たのだろうか、彼は滑稽そうに嗤った。
    「ハッ、私のことを調教するとほざいていたのはどの口だ?貴様に傾倒するどころか私の心は冷える一方だが。」
     私の名の刻まれた額から血を垂れ流して煽る様は、この状況よりも余程滑稽である。私は思わず吹き出した。
    「あっはっは、やだなあ。まだ6日目ですよ?すぐに堕ちたら面白くないじゃないですか。私は、貴方が壊れゆく様をじっくりと愉しみたいんです。」
     彼は苦虫を噛み潰したような顔をして、黙ってしまった。
     それから暫く、彼との会話を続けた。会話といっても、私が質問して、彼が無視をするのを繰り返していただけだが。その間ずっと乳首を撫で続けてやった。全身に鳥肌が立っていた。
     今日はこれで十分だ。これからも休日を設けよう。完全な調教には休息も必要不可欠だ。
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