11月19日(56日目)11月19日(56日目)
昨晩から添い寝し続けているが、未だ起きない。穏やかな寝息を立てて、眠り続けている。ある時、変化が起きた。
「……っふ、ぅううっ…………、」
眉根に皺を寄せて、歯を噛み締めたのか唇が引き絞られて、唸り始めたのだ。性的なものではない。脂汗さえ浮かび、苦しそうだ。
頬を撫でた。早く目を覚まして欲しい。すると、調教によってくすんでしまったベニトアイトの髪色が、みるみるうちに輝きを取り戻していく。
私の手に安心したことで、悪夢を見なくなったのだ。そう思った。だが、違うようだ。彼はまだ唸っている。
私は、彼を想う余り、前のめりになって、接着せんばかりの体勢であったが、一度身体を起こし、俯瞰で彼を見た。すると、驚くべき光景を目の当たりにした。
2825