ニコセイのご都合ロッカー閉じ込めの話
※書きたいとこの箇条書き 小説ではないただのとっ散らかったメモ
※わりと腐 付き合ってない
ジュードがスパーリング相手にニコを探しているが、ニコはお腹が空いているし今日はまったくその気ではない。せっかくセイジと談笑していたのに、と少しむすっとしているニコに「ふふ、じゃあ隠れちゃおっか」とロッカーを指すセイジ。
なんだか子供のかくれんぼみたいにわくわくした面持ちのセイジが可愛くて乗ったニコは、セイジを連れて静かにロッカーに入る。(イメージ的には掃除用具入れというより着替え室の空きロッカー。いくつか同型が並んでるかんじ)
(足音止まったね)
(あ、ドア開いた)
(……)
(……行った)
(ジュードくんには悪いけれど、なんだかわくわくしちゃった)
(……おれも。よし、出るか)
開かない。あっここ立て付け悪くて使ってなかったとこだ、と気づくニコだが時既に遅し。容易に出られると思っていたせいで変な体勢で入ったから扉を強く押そうにも力が入らない。使用禁止の貼り紙、誰だ剥がしたの。忌々しい気持ちになるニコ。
「あっニコ、瞬間移動!」
とセイジが言うと同時にものすごい腹の音が鳴る。
「……おなかすいた。力出せない」
しょぼしょぼのニコが可哀想で、僕に任せて!とセイジが頑張って扉を押すが、セイジはニコに抱き抱えられるような体勢のため、足が底にほとんど付いていなくて踏ん張れない。
(あ、これまずい)
セイジが一生懸命になればなるほど身体が触れて擦れあって、意識すればするほど熱が下半身に来る。好きな相手と密着している事実を認識してしまった。
駄目だごはんのこと考えよう。出られたら冷蔵庫のもので手早くなにか作ろう。卵は買いたてだからオムレツもたくさん作れる。よしオムレツ。おれは大きいオムレツ。セイジは中くらいのオムレツ。
ニコは己をコントロール出来る男だった。だから大丈夫なはずだった。
「暑い~……ごめん、ちょっとだけ休憩させて……」
密室に籠る熱でセイジがバテて胸に寄りかかってくるまでは。
ニコは夜目が利くからセイジの様子が分かってしまうのも痛手だった。
首筋に滲む汗。開かない扉と向き合い続けて疲弊し、上気した顔。八の字に下げた困り眉と伏せた目を縁取る睫毛。荒い息遣いは近すぎるこの距離ではニコの肌にダイレクトに伝わってしまう。
「ニコ、どうしよっか……?」
よくない。その上目遣いは非常によくない。
「……セイジ」
「いっそ、うるさくしちゃって……外の誰かに気づいてもらおっか……扉、叩いてさ……いやでももうちょっと頑張ろうかな……」
「セイジ……もう、頑張らないで」
「……ニコ?」
「セイジが動くと擦れるから」
「あっごめん!気が回らなくて……」
「……その。勃つから」
「た……?」
立つって何が、と理解の遅れたセイジの太ももに硬いものが触れて、そこでようやく気づく。その"勃つ"……!と真っ赤になるセイジを見て、だんだん頭が煮えてきたニコ。狭いから、を免罪符に腰を密着させてみればセイジの目が潤む。怖がっているにしてはどこか期待の滲む碧の瞳にニコは調子づいてしまう。耳まで赤いのが可愛くて、堪らなくなって唇を添わせると吐息のような声で反応される。
もっと触ったり舐めたりしたい、セイジの甘い声が聞きたい、とニコの理性が本能にいよいよ食われそうになったとき
「誰かいるのか?」
と聞き慣れた声がして、くらくらしていたセイジが覚醒する。
「お、オスカーさん!ここです……!」
そこからはばたばたと救出されて(その際オスカーはサバイバル☆4のバーストみたいな声をあげて扉をメキメキ壊して開けた 事故を防いだことでお咎めなし)(その衝撃でセイジもニコも一気に目が覚めた)水分とらされて、ニコは空腹の応急措置でオスカーに渡されたプロテインバーを5本食べ、熱が落ち着いてからキッチンスペースへ。
「………………セイジごめん。変なことして驚かせた」
「や……僕もなんか、ごめんね……今は大丈夫?」
「ん。治まった。お腹が減りすぎたのも酸欠気味になってたのも全部良くなかったんだな」
「よかった……ふふ、お互い妙なかんじになっちゃってたね」
「本当に。危なかった」
「ああいう特殊な状況下でなし崩しにじゃなくて、きちんとしたタイミングで気持ち伝えてから、そういう関係になっていけたらって思ってたから」
「うん………………ん?」
「あ!そういえば今日パトロール中に差し入れで貰ったクッキー、ニコと一緒に食べたいなって思ってたんだ。取ってくるからちょっと待っててね!」
「え、待っ、セイジ、今の」
ドアの閉まる音が、ニコの伸ばした手をなんとも滑稽なものにさせた。