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    白 梅

    @KN_8srum

    エー監・カリ監メインで細々と文字書きしてます。

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    白 梅

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    エアリクの『マブと言い続けるエー監』と『回し飲みするエー監』を書かせていただきました。

    【エー監】2年3ヶ月の平行線【エアリク】「んで、二人はいつ結婚するんだ?」
    「「はぁ?」」



    珍しく私とエース、デュース、グリムの四人の休日が重なった日。マジカルフォースからの呼び出しにいつでも対応できるように、遠出ができないデュースのために普段と変わらず街で遊ぶか、と話が流れそうになったところ。

    『せっかくだからオンボロ寮にいた頃みたいに過ごさない?』

    私の提案に三人とも「いいな!」とノリ気で賛同してくれて、街で各々お菓子や飲み物を買いこんでから、私とエースが住む家に集まった。テーブルいっぱいに買ったものを並べて、懐かしいやりとりをしていると、なんだか学生時代に戻ったみたい。
    ハーツラビュル寮みたいに豪華ではない、質素だけど自由気ままなお茶会。

    そんな最中にデュースが放った一言が、さっきの言葉だ。

    さも当然のように切り出された話題に私たちは首を傾げ、口つけようとしたドリンクをテーブルに戻す。

    「デュース、どうしたの急に」
    「別に急じゃないだろ。二人が同棲して2年だぞ? エースもそろそろケジメをつけねーと」
    「ケジメってなんのだよ」

    カレッジを卒業して住む場所がなくなった私と、卒業を機に一人暮らしを考えてたエースとの利害の一致で始まった共同生活。もともとオンボロ寮でもよく泊まりにきてたのもあってお互いの習慣は知り尽くしているし、それを尊重しながらうまく暮らしてきた。
    だけど、突然『結婚』だなんて……デュース、何を勘違いしているんだろう。

    要領が得られなくて、頭の上に疑問符を飛ばす私とエース。それを横目にグリムはポンッとデュースの背中を叩いて首を横に振る。

    「デュース……こいつらに言っても無駄なんだゾ。 オレ様はもう諦めた」
    「いや、だけど……こいつら、このままだと結婚しないまま墓まで一緒に、とか言い出しそうじゃないか」
    「あーそれいいかも」
    「はぁ?」

    ナイスアイデア!とデュースのアイデアに乗れば、アイデアをくれた当の本人が『お前、本気か?』と言いたげな顔を向けてくる。

    「だってさ、一人で静かに眠るよりエースと一緒の方が寂しくないし、死んだ後も楽しそうじゃん」
    「うっわ、絶対静かに眠れないじゃん。 ……でも、こいつ一人にしたら周りで眠るやつが安心して眠れなさそうだし、しかたねーから一緒の墓に入ってやるよ」
    「言ったなー!? ハロウィンになったら盛大に暴れ回ってあがるから、覚悟しとけー!」

    ぷんぷんと怒る私に対してなぜかしたり顔のエースが「そんなに怒るなよ」と私の頭をぐしゃぐしゃ撫でる。
    もー、おかげで髪がボサボサになったじゃんか。……あれ?

    「エースが持ってるのって……今流行ってるやつだよね?」
    「そうそう! ケイト先輩のマジカメで知ってから、すげー気になっててさ」
    「やっぱり!」

    エースが持っているカップのロゴにピンときたんだ〜。
    エースのドリンクは最近薔薇の王国で話題になっているカフェのもので、お菓子をイメージしたドリンクを販売してるらしい。

    「いーなー! ねぇ、一口ちょーだい」
    「言うと思った。 はい、どーぞ」
    「やった!」

    渡されたカップをワクワクしながら受け取る。
    さてさて、どんな味なんだろう?色的に赤いし、イチゴ系のケーキをイメージしてそう。
    いちごのタルトかな?とアタリをつけてストローにくちをつけた。

    「すっぱっ!?」
    「あははは!」
    「まって、これケーキをイメージしたドリンクじゃないの!?」
    「ちゃんとケーキイメージのドリンク買ったっての。 ……まぁまさか『チェリーパイ』イメージがこんなに酸味効いてるとは思わなかったけど」

    口いっぱいに広がるチェリーの香りと、ほんのりとした甘み、それと強烈な酸味。
    さっきまで飲んでいた自分のドリンクがチョコをふんだんに使った激甘ドリンクだったから、尚のことすっぱさが誇張される。
    うぅ……せっかくのケーキドリンクなのにぃ……。

    「デュースも飲んでみてよ!」
    「え、いいのか?」
    「別にいいよ。 ほら」
    「ありがとう……うん、確かに酸味は強いけど、美味いな」
    「オレ様にも飲ませろ!」
    「はいはい」

    順々にまわされるエースのドリンク。ふと学生時代も話題のドリンクを回し飲みしてたなぁ、なんて思い出す。
    社会人になって、なかなか会う機会はなくなってしまったのに、あの頃と全然変わってないなぁ。

    「エース、私のドリンク飲む?」
    「マジで? サンキュ」

    だからこそ……こういうやりとりに慣れているからこそ、エースは私のトラップに気づかない。
    私の悪戯心がニヤリと笑った。

    「あっま!? おいこれ酸味しか感じられなくなるやつじゃん!」
    「ふっふっふっ〜私の気持ちも味あわせてあげる」
    「おまえなぁ〜っ!」

    や〜い、騙された!
    マヌケなエースにケラケラ笑いながら、戻ってきたドリンクを一口飲む。うん、やっぱ美味しい。

    そんな騒がしいやりとりをしていたから、私たちの裏でひっそりと交わされていた会話に気づかなかった。

    「デュース……こいつらまだ自分たちの関係を『マブ』としか思ってないんだゾ」
    「嘘だろ!?」
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