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    月刊歩行水銀

    @okomeittoai

    月を歩きたいです 
    rnis、kiisを書きます

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    POIPOI 5

    月刊歩行水銀

    PROGRESSこの話は子供との絡みが好きな作者が、おずおずと子供に向き合っているrnisがみたいと書いたもだもだ家族形成パロです。引退したisgが喪失感に襲われて子供を養子を取るところから不器用にも家族になろうと集まる話です。

    ちょうどいいところまで終わったので、誕生日もあるし試しに一話として挙げてみようと思います。全年齢です。
    推敲していません。深夜なので許してください。

    最初から暴力が出てきます。
    祝祭 ♯1その箱の中にいる男が、ひどく楽しそうで羨ましかった。

    「ミヒャエル・カイザー選手と糸師凛選手がボールを奪い合っていた裏を書いて、ゴールを決めたのは、バスタードミュンヘンの双剣の一人、11番の潔世一だ!」
    「そしてなんと、ここで試合終了のホイッスルが鳴り、3-4でバスタードミュンヘン、逆転勝利が確定しました!」

    無機物なテレビが不思議にも動を生み、割れんばかりの歓声で蠢く。暗がりの部屋の中、瞳の中で青が揺れると、自分で導いた勝利を噛み締めるように、箱の中の自分よりも遥かに年上の赤いユニフォームが流れ星のように流れた。その選手はまるで自分がゴール入れたのが当然なのだと、その傲慢さを隠そうともせずに汗を飛ばしながら芝生の真ん中で雄叫びを上げている。こちらが耳を塞いでしまいそうな痺れる声を合図に、彼と同じチームメイトらしい、同じユニフォームの選手が集まってあっという間にもみくちゃにされ、その様子を興奮して解説している実況席と、嬉々とした声援が囃し立てていた。周りの選手と喜びを分かち合っている熱を表す画面は、今少年がいる暗い現実世界とは対照的にその選手を祝福しているように煌めいている。
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    月刊歩行水銀

    PROGRESSrnis養子パロ その2です


    前回↓
    https://poipiku.com/8424944/11567626.html

    今回はrnとisgが喧嘩して、子供と家族になる話です。
    祝祭 #2「なあ、今日はどこで絵をかくつもりなんだ?」
    「また着いてくるの〜...?まぁ、良いけどさ。......今日は小川の近くで絵を描こうと思って」
    「小川か〜、小さい魚とか虫とかいるかな〜」
    「七月だし、多分結構いると思うよ。潔さんって、虫大丈夫だっけ」
    「昔は虫の羽音とかで泣いてたけど、今は大丈夫。ただちょっと見た目がきもいのはまだだめかなぁ......」
    「ふふ、子供っぽいね、潔さん」
    「そ、そんなことないからな?!もう十分良い大人だし......」

    いつの間にか時期はすっかり、緑でできた木漏れ日が二人が歩いている素肌を刺してくる日本特有の夏になっていた。紬と出会った時の春の暖かい陽気はいつの間にか形をひそめ、湿気が肌に張り付いてきて気持ち悪い。ドイツも七月は暑くなる日があるので慣れていると思っていたが、やはり体を動かすたびに日本特有の湿気と日差しには敵わなわそうもなくて、紬の冗談を嗜めるような声を熱波の中に震わせれば、紬は潔に向かって振り返ってニヤッと笑って逃げ出した。線を引くように、手で握りしめていた翡翠色のクレヨンと、その他のクレヨンが入った箱が揺れる音が響く。
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