26話の後のアメ【フリ←←←←←←アメのフリアメ・アメの過去捏造あり】アメジオにとって、「自由」という言葉は存在しない。
アメジオにとって、「幸福」という言葉も存在しない。
生まれた時からの人生はいつも暗くって苦労ばかりだった。ずっと前から自分の意思を潰しちゃったせいで気持ちや感情とかはボロボロになった。
だって、アメジオの存在は自分のためではない。
ギベオン様の願いを叶うための存在だけである。
無論、アメジオはもともとはそれを知ってた。生まれた時からよく言われた。「貴方はギベオン様の物です。ギベオン様のために生きなさい。ギベオン様の願いを叶うまで、ギベオン様だけを考えなさい。貴方の優先権はギベオン様。いつもギベオン様に感謝しなさい。」
(いつも___に感謝を…)
名目上だけにギベオン様はアメジオの父上だが、親子みたいな関係ではない。ギベオン様は一度でもアメジオのことを認めなかった。息子として…そして、人間として。
母親は小さい頃で亡くなったため覚えてない。
アメジオはいつも一人であった。
アメジオは「自分のために」の意味を全然理解できてない。
アメジオは、ギベオン様の捨て駒だから。
アメジオは、ギベオン様のために存在だけの道具だから。
アメジオは、ギベオン様の人形だから。
人形は気持ちを感じてない。人形には友達や仲間はいらない。
人形は…愛をいらない物だから。
なのにアメジオは完全に人形になってなかった。
生まれた時から、本当の自分を他の人から隠した。本人はあの「真の」アメジオはもう十分葬れたと思ったが…
「みーつけた!」
「誰だ?!」
フリードと出会ったから、アメジオの中になにかが動き出した。
なぜかフリードと勝負する時、アメジオの感情はいつもより溢れている。フリードの顔をみるだけでイライラになるとか、声を聞くだけで胸が痛くなるとか…
バトルが終わった後も、胸の熱さを残っている。フリードのこと思うたびに変なムズムズになる。
自分にも認めはしたくないが、アメジオはフリードのことに羨ましいんだ。ものすごく大変羨ましい。だからフリードは、アメジオがもってない部分が多い。頭がすごくいいとか、皆から憧れるとか、かっこいい姿とか、トレーナーとしての強さとか…
アメジオはフリードみたいな人になりたかった。いや、今もそんな人になりたいと思う。
古城のバトルまで…
「わりぃな。」
あのテラスタオーブを使ったフリードは、アメジオのイメージ通りのフリードではなかった。
そこまでやっとフリードに勝つと思ったアメジオ。ようやく勝負は最後までやってる!なのに、バツグンな効果のあくタイプテラバーストのせいで完全に負けた。
アメジオはあんな姑息なトレーナーに絶対になりたくないと、あの瞬間で自分に誓った。
フリードに負けのは、アメジオにとっても傷つけた。自分の痛みだけではなく、パートナーのソウブレイズの痛みも感じるような欲求不満だった。
でもそれよりーー自分の気持ちよりもソウブレイズの気持ちよりもーーギベオン様の怒りは今まで何倍より激しい。
「独断で行動は絶対しないと何回言われたでしょうか?今の失敗は貴方の力不足のせいだけではない。貴方のワガママさも原因だ。どうせ、あの博士と勝負したかったのは自分の望んだことだろう?はぁ…最初から迷惑ですね、貴方は。もう忘れたか?貴方は我のための存在だ。その簡単なことを忘れたら、ほら…こんなに駄目なモノになる。フリードという男をもう忘れてしまえ。勝負のことも彼への愛情も…貴方みたいな人形は愛情にはいらないだから。フフ…まぁ…あの方はもうとっくに…貴方のことを忘れられはずでしょう…」
「分かりました…申し訳ございました、ギベオン様…」
(愛情?ふざけんな!そんなバカなこと言うな。オレはフリードのことを愛してるわけじゃ…
…
…
…
そっか。あの謎の感情は…あの苦しい感情は…「愛」という…気持ちだったのか?)
ギベオン様には「もう彼へなにも感じてないんだ」と言ったが、アメジオの中でずっと愛情が眠っていて、今はやっと起きられそうだけだ。
ギベオンはなにも知らない「愛情」。動き出したらまったく止められなくて誰にも負けないくらいの感情。
(せめて、この気持ちだけ守りたい…フリードはどうでもいい。ただ…オレから、この感情を…奪ってないでくれ…)
そしてアメジオは、もう一度フリードを追いつけられていく…