きょうそらの会話ふとした仕草
わたしは、京子さんの仕草を見るのが好き。かわいらしくてコロコロとよく変わる表情。休むことなく動いている手と指。ワンちゃんみたいで愛らしい。
ぼーっと遠くから眺めているだけで、幸せな気持ちになれる。
「!!氷天ちゃん!やっほー!!!」
「あえっ!?京子さん!?」
彼女は、とても足が速いため、わたしの元へすぐに来て猛烈な抱擁をしてくる。そのあたりも、なんだかワンちゃんに似ていてかわいいな、と思うが、見た目はやはり人間の姿をした方の突進なので、慣れない。
「京子さ、苦しいです……」
「あー!!ごめんごめん!!潰れてたね!!おもち!」
よくわからない謝罪をされながらも、わたしの体から手を離してくれた。嬉しいが、力が強く体が耐えきれない……
「あ!!ねえねえ!わたし氷天ちゃんの所行きたいって思ってたの!!お邪魔してもいい?」
「あ、はい……大丈夫です」
「やったああああ!!!ちゅき!!!」
「うう……………」
二分もすれば忘れてしまうのは難点かも……
「あ!京子ちゃん!!いらっしゃいませ!!」
「いらっしゃい。好きに腰掛けて頂戴」
「お邪魔します!!!二人ともありがと〜!!!」
会話はこの二人に任せていいよね……
「そ、それでは、京子さん……本、を読んできます……」
「あ、わたしも一緒に見てていい?」
「えっ、あ、はい……どうぞ……」
逃げられない……
「ありがとう!あ、お花だ!好きなの?」
「え、あ、はい……かわいくて、好きです」
「お花かわいいよね〜〜!どんなお花が好きとかある?」
でも、京子さんとの会話は、なんだか苦にならないから、好き。
「わたしは、ですね……このお花とかが好きですね、あと、これとかも……色がとても素敵なんです……」
「〜なんです、京子さんは……!?」
「んふ、やっとこっち見た〜」
「あ……!?あ、あの、すみません!?。気が利かなくて、えと、その」
「夢中になって話してくれたの、嬉しかったよ。キラキラしている目もかわいいし……ふへへ」
ああ、その細めた目、上品に上がる口角、机に伏せられた手の甲の上に乗せられる頭部……なんて最高なんでしょうか。そのふとした仕草が大好きで、ついついこういうことをしてしまう。