Perfection「はぁあ?」
久々に『頭に血が上る』という感覚を味わった。
いや、頭だけじゃなくて、身体全体が反応をするくらいだったかもしれない。
「ふー……」
妙に俯瞰気味にそんなことを考えながら、細く息を吐いてキーボードからゆっくりと手を放す。普通に冷静だけど、別にそんなことしないけど——でも、衝動がないわけじゃないのも、自覚はしていた。何かを叩く前に席を立ってキッチンに向かう。どこかのクソビッチのせいで自分のものを壊したくなんてないし。
ほら、これってすごく冷静に判断できてない?まぁ、俺は大人だからね。
「……」
ドアを開ける勢いや、廊下を下る足音は、ちょっとだけいつもよりも乱雑だったかもしれないけど。
ケトルでお湯を沸かしてる間に、甘いものを口に入れたくて冷蔵庫をのぞく。なにか、ちょうど良いものはないかな。気分があがるような、癒やしてくれるようなものは…………なにもないや。
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