【アシュヴァッターマンとぐだ】(アシュぐだ♀っぽい、ぐだが疲れている)
「アシュヴァッターマンってさぁ、もっとこう……真面目?なサーヴァントだと思ってた」
「ハァ!?マスターよ、そりゃどういう了見だ!?ア?」
「怒ってはいるけど無闇に喧嘩吹っ掛けないし、バトルはシュミレーターかレイシフト先でやってくれるし、聖杯パクったりしないし、増えないし」
「……」
「ほら、ウチって問題児多いから、ねえ」
「だから、ドゥリーヨダナが来てからずっと意外だった。こんな顔で笑うんだーって」
「……アー……確かに、そうだな。ちとはしゃぎすぎたわ。面目ねぇ」
「なんで?悪いなんて言ってないじゃん。ずっと、会いたかった人なんでしょう」
「キミは会えたんだから、いっぱい楽しんだらいいじゃん」
そう言って静かに笑う子どもが、親にも、兄弟にも、友人にも会えなくなって何年経ったのかすっかり失念していた。時間を超えた縁が結ばれるカルデアという場所で愛憎入り混じった再会を果たす英霊たちを見て、彼女は何を思っていたのだろうか。
「……ごめん、今の私、性格悪かったね」
彼女が眉を下げて謝罪するのと同時に乾いた音が響き渡った。アシュヴァッターマンが自分の頬を思いっきり張ったのだ。
「アシュヴァッターマン!?」
「いや、なんでもねぇ。これは俺ン中でのけじめみてぇなモンだ。無神経なこと言った、すまねぇな」
「えええ………。私が八つ当たりしただけなのに」
気にするな、と言うようにアシュヴァッターマンの大きな掌がマスターの髪をかき混ぜる。
「マスター、もう二度と見えることがないと思っていた我が王、我が友、我が好敵手と再び見え、共闘する機会を頂いたこと、感謝する。この大恩に必ず報いることを天地神明にかけて誓おう」
「ま、俺にゃ怒ることくらいしかできねェけどよ、アンタが怒る時は必ず俺の憤怒が共にある。だから、安心して怒れ」
「……ありがとう、頼りにしてる」
「おう」
【ジャンヌ・オルタとぐだ】
「そーいえばさぁ、オルタちゃんってオルタだったんだよねえ」
「ハァ?アンタ何言ってんの、どっかで頭でもぶつけた?もともと酷かったけどトンチキに拍車がかかったわね、ご愁傷様、もう手遅れよ」
「だってほら、オルタちゃんかなり早い時期に来てくれたし。まだ七つの特異点とか言ってたころでしょ、来てくれたの。だから、えーと、ろくねん?7年?くらいの付き合いじゃん私たち」
「だからさあ、私の中ではオルタちゃんはオルタちゃんなんだよ。ジャンヌダルクの別側面って言われてもあんまりピンと来ないっていうかぁ」
「……随分お気楽な頭ね。やっぱりどっかにぶつけたんでしょう」