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    せしる

    @whiteblue_ks

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    せしる

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    なんか勢いだけで書き始めたにょた新ちゃん冒頭部分。
    ウチのにょた新ちゃんは新と書いて『さら』ちゃんと読ませようかな?とかどうでもいい設定だけは考えたりしたのです。
    しかも何だかシリアスちっくに始まりましたけれど……望んでいるのはバカップル!なわけでおかしいなぁ?
    てか、もしかしてにょた新ちゃんである理由がない?

    とあるビルの屋上。綺麗な月が夜空に浮かぶ景色がとても美しい。
    そこにたたずむ一つの影。その影は月に手を翳し
    「また、ハズレ……か」
    そうつぶやき腕を下げて肩を落とすとふーっと大きくため息を落としぼんやりと眼下に広がる街の灯りを眺めた。
    もうこの場所には用はない。だからすぐにこの場を離れればいいのにまるでそこに縫い止められたかのように動かなくなった足。
    少しだけ困ったような表情を浮かべながら別に急ぐ必要はないともう少しその場にとどまることにしたのは探偵である工藤新その人だった。

    少し前まで『キッドキラー』と呼ばれキッドの現場によく呼び出されていた。
    キッドの考えることの先を読むことが楽しくて暗号も時間を忘れさせてくれるほどワクワクするものばかりで声がかかれば現場の捜査にも顔を出している。
    何度もギリギリまでキッドを追いつめたしキッドの犯行後はこうして対峙していたというのに最近では新の読みをあざ笑うかのように屋上での対峙の時は訪れない。
    けれど新は自分の読みは間違っていないと姿を現さなくなった今でも信じ続けている。きっとキッドがさらにその先を読んで自分との対峙を避けているのだろうと。
    「女だからだめ、なのかな」
    そんな新のつぶやきは夜の闇にあっという間に紛れて消え、屋上ということもあって強い風が吹き付ければ新の長いしなやかな髪を攫っていく。
    どこまでも自分を最高にワクワクさせてくれる存在だった怪盗キッド。
    それがいつの間にか新の中で好敵手から想い人に変わっていてキッドはそれをきっと敏感に感じとったから対峙してくれなくなったのではないかと思っているけれど実際のところは本人に聞いてみなければわからない。
    さすがに冷えてきたこの場所に長居は無用だ。
    ココにいてもあの白い怪盗には逢えないのだから。
    気持ちに一区切りをつけて踵を返した新は屋上への出入り口のドアに背中を預け腕を組みじっと自分を見つめている存在が視界に入ってびくりと身体を震わせた。
    「名探偵。おてんばも大概にしとけよ?天下の大怪盗をギリギリまで追いつめて何が楽しいんだ?」
    口角をあげ、ニヤリと笑うその存在は今の今まで脳内に思い浮かべていた白い怪盗。
    「でも、捕まえられなきゃ意味がねぇし」
    「いやいや、今回もかなりヒヤヒヤだったぜ?」
    「でもオメーは逃げ切ったじゃねぇか」
    「まぁな」
    キッドはもたれかかっていたドアから離れ一歩一歩新の元に近づいてくる。
    そんなキッドとの距離を詰めないように一歩一歩後ずさる新。
    「オイオイ、せっかく近づいてんのになんで離れるんだよ」
    「だ、だって……」
    これ以上後ずさることができないところまでたどり着いてしまった新とあっという間に距離を詰めたキッドは新の左手首をぎゅっと掴んだ次の瞬間ぐっと腕を引き腕の中に閉じ込め
    「こんなに身体が冷えるほど待たせてゴメンね?」
    と耳元で囁きその身体をぎゅっとしっかり抱きしめた。
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