無意識「よし!じゃあ10分休憩だ!」
流星隊でのレッスン中守沢先輩の一際大きな声が響いた。今は次のライブに向けて練習している最中だった。
「は〜〜疲れたッス〜〜…」
「もう一歩も動けないでござる〜…」
「俺も……」
「ふふふ、さんにんともよくがんばりましたね。えらいです〜♪」
はい、どうぞ。と深海先輩がペットボトルの水を手渡してくれたのでありがたく受け取った。激しい運動後の水は特別美味しく感じる。
「はい、ちあきもどうぞ〜」
「おお!ありがとう奏汰!」
守沢先輩は深海先輩からペットボトルを受け取りゴクゴクと飲み始めた。
激しいレッスンの後のせいで先輩の額や首には汗が垂れ、髪の毛が汗で額に張り付いている。暑いからか頬も赤くなっていて水を飲む度に喉が上下に動いてなんか、なんか………
「どうした?高峯。俺の顔に何かついてるか?」
「ふぇ!?い、いや、なんでもないです……」
いつの間にかじっと見ていたようで先輩は不思議そうにそう聞いてきた。
俺…今何考えてた……?
いや、普通に休憩してる守沢先輩見てただけだし、先輩がえろいとかそんなことありえない。そんなのは気のせいだ。
そんな訳ないと言い聞かせてもう一度先輩の方を見ると先輩はTシャツを少しめくってタオルで体の汗を拭いていた。
Tシャツの隙間から見えた腹は引き締まっていて少し割れていて、やっぱりなんか…えろい………
(はぁ〜〜〜〜………鬱だ…………)
どうして守沢先輩に対してそんなことを思ってしまうのか。その答えを知りたくなくて俺は考えるのをやめた。
(これからどんな顔して先輩と接したらいいのか分からない……)
この気持ちの答えを知るのはきっともうすぐだ。