もしも前世があるのならもしも前世があるのなら



もしも、もしも前世があるのなら、

私はあなたとどんな関係だったのか、

家族？恋人？友達？宿敵？それとも




出会ってすらいなかったのかな







目の前で幸せそうに眠る彼の顔を見ながら、
そんなことを考える。



ねぇ、あなたは前世の私と出会っていたの？

私はあなたを好きだったのかな

あなたの方は





私を好きだった…？





あなたといる今が幸せで、私を愛してくれるあなたが好きで、誰にも盗られたくなくて…




あなたは前世で違う女の子と結婚したのかな

子供はいたのかな

今より…幸せだったのかな



あるかも分からない前世にまで嫉妬する

きっと前世で彼に愛された人は、

これ以上ないほどに幸福な人生を歩めたのだろう




その隣にいたのが、私であればどれだけいいか




「ねぇ」



まだ穏やかな寝息を立てる彼の頬に手を当てる
その感覚が、今が現実なのだと私に思い知らせる。



「あなたは私を愛してた？……私は……





きっと、あなたを…愛していたわ」


そっと額に触れるだけのキスをする







前世でも、そして来世もあるのなら…



彼の隣に、私がいますように

彼の愛を受けれるのが、私でありますように


我儘な願いだとわかっています。

ですが神様、

どうか、どうか…………






私から彼を奪わないで