もしも前世があるのなら-Another Side-もしも前世があるのなら
もしも、もしも前世があるのなら、
自分は君と夫婦だっただろう
前世の自分が君を見つけられないはずがない
きっと恋に落ちている
目の前で幸せそうに眠る彼女の顔を見ながら、
そんなことを考える。
前世の君とは、どんな風に出会ったのだろう
自分は君に、どれだけの愛を注いだだろうか
君の方は
どれくらい多くの愛をくれただろうか
君といる今が幸せで、自分を愛してくれる君が好きで、誰にも盗られたくないし、手放すつもりもない
前世ではどんな結婚式をしたんだろう
子供は何人いただろうか
今みたいに幸せだっただろうな
あるかも分からない前世に思いを馳せる
きっと前世の自分は
これ以上ないほどに幸福な人生を歩めたのだろう
その隣には、君がいたに違いない
「あぁ」
まだ穏やかな寝息を立てる彼女の頬に手を当てる
その感覚が、現実なのだと自分に教えてくれる
「ずっと君を愛してる。…君も
愛してくれるといいな」
そっと額に触れるだけのキスをする
前世でも、そして来世もあるのなら…
彼女の隣は、自分のものだ
彼女の愛を受けれるのは、自分だけでいい
無謀な願いだとわかってる。
だけど自分は絶対、
君を手放さなすつもりはないよ