真夏の幻覚あれは、確かわたしが5歳くらいの頃の話やったろうか…
今でも鮮明に思い出せる。
セミもうだるような暑い夏の日。
いつものように鍛錬を済ませたあとやった。
何かに呼ばれたような気がして
裏庭の方へ向かった
大きな古池とあまり手入れの行き届いていない木々
そして
「誰だお前」
不機嫌そうな顔をした男が、そこにいた
裏庭は基本使うとらんはずなんに、なんで人がおるんや…
「誰だお前」
ゆっくりと振り返ってこちらを見る人影。
薄桃色の長髪に特徴的な癖のついた髪…
髪色はちゃうけどなんだかこの人…
「ははうえ…に…にてる…?誰やろか??
はっ!!まさか曲者やったりっっ!!」
なんとなく寄った裏庭に、見知らぬ男がおる…
屋敷の使用人のカッコウでもないし
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