🐗のモノローグ────胸の当たりがむず痒い
あの時、トウマがオレたちの事を大事にしたいって言って。なんだっけ。オレも巳波も虎於も、びっくりして。そんなこと言われるなんて思ってなかったから上手く言葉が出てこなくて
そん時のオレたちは、誰かに大事にされることに慣れてなかったんだ
薄っぺらい、お互いの利害関係が一致してるだけのグループ。そこから友情とか愛情とかそういう、深い関係っていうのかな
そんなのがオレたちにあるなんて思いもしなかった
でも、今ならわかる気がする
あの時胸の辺りをくすぐったような気持ちは
─────あったかいって事なんだ
自分の事は自分が守る。そうしないと倒れてしまう。グループとして活動してたって所詮は他人事。愛されたいとか、わかって欲しいとかそういう自分勝手な要求なんてどうせ受け入れられないってずっと諦めてた
だから愛されてることに気づけなかった
傷だらけで、独りで歩いてきたのに
学校での話とか、最近あったムカついた時の愚痴を嫌な顔しないで聞き流してくれる相手がここにいて。適当に感想とか言ってくれて。
ほんとさ、何を言われようとどうでもよかったし、気にしたこともなかった
─────九条にそうやって育てられたから
だから、オレにとってそれ以上は必要なくて
もっと望んだら、全部無くなっちゃうかもって。怖くなって
でも、そうしてたらいつも何考えてるかわかんない巳波が、すんごい感情むき出しにしてさ
どうでもよかったはずなのに
あいつらのこと深く知ろうとも思わなかったのに
いつの間にかオレはŹOOĻに骨を埋めるのも良いなって
だんだん思えるようになってた
でもさ、傷だらけのオレたちが今さら他人の心に触れることは簡単じゃなくて。
心の奥深くに大事にしまい込んでた苦い記憶
過去なんて変えられないからずっと全てを背負っていかないといけない。
ŹOOĻとして歌うオレは最低で。絶対にやっちゃいけない事もして。悪いのはオレじゃないって決めつけた
性格がいいわけでもないし、素直にもなれないし。でも、それでもあいつらはこんなオレを受け止めてくれて。褒めてくれた
傷ついて、めんどくさくって、ダサくて、オレの方が大人じゃんって思うことあるけど
それと同じくらい..じゃなくて、それ以上に眩しくて、優しくて仲間思いで
と、とにかくめちゃくちゃかっこいいんだよ
─────オレたちはもう独りじゃない
巳波の曲がオレたちを1つにする
ŹOOĻは4人が歌って踊る、かけがえのないグループだから
オレがあいつらに頂上の景色を見せてやる
ŹOOĻが最高だろ
ŹOOĻが好きって言ってよ
そしたらオレたちも
みんなの事が大好きだってパフォーマンスで伝えるから
いつもありがとう。
だから、願わくば。ずっと応援してて