ライオネルは馬に乗って街へ出かけた。
何もかもが虚しい。今までどれだけみんなを不快にさせていたのか、思い返すのも心が重い。
街へつくと事務仕事をいくつか済ませ、昼食時に入ったレストランで、使いの子供に手紙を渡した。
午後もいくつか用事を済ませ夕方になると、彼は路地裏の一室を尋ねた。
ノックをしてからドアを開けると懐かしい声が聞こえた。
「よう久しぶりだな」
ライオネルが顔を上げると、声をかけてきた男以外にニ人、知らない男がいた。
ライオネルとっさに危険を感じた。
昔不定期に会っていた男はもともと少し危険な性格だった。
とっさにドアを開けようとしたが、男のうちの一人がすでにドア前に来ていた。
「どういうことだ」
ライオネルは男に聞いた。答えを聞かなくてもすでにわかっていた。
「そりゃあ久しぶりなんだから、みんなで楽しもうと思ってさ。くそ真面目そうなあんたがベッドの上でどんなに乱れるか、こいつらも見たいって言うからさ」
「…………」
男二人が両側からライオネルの腕をつかむ。
「いやだ。こんなことやめてくれ!」
「だめだね。自分勝手はお互い様だ。おれたちはお互いを利用してるんだからな」
そう言われてライオネル目を伏せた。
男の言う通りだった。彼は自分の苦しみを忘れたいために、彼と連絡をとり相手をしてもらっていたのだ。
それでもライオネルは抵抗した。すると、男の一人がいきなりライオネルを殴り倒した。
床に倒れ込んだライオネルは殴られた頬の痛みに強く目を閉じて体を丸めた。
「へぇ、そこでやりたいわけ?」
男が下卑た声で笑う。
ライオネルは這って逃げようとしたがなんなく捕まり、乱暴に上着を剥ぎ取られた
「いやだ!やめてくれ!」
腕を首を足を掴まれる。
ライオネルは涙が出た。抵抗しようにも体を押さえ込まれている。
ひとしきり暴れはしたが、とうとうズボンを脱がされた。
「おとなしくしときゃあ、そんなにひどいことはしねよ。なに、いつも俺一人だったのが三人に増えただけだ。毎回、めちゃくちゃにして欲しいって言うのは誰だって話なんだよ」
ライオネルは目を閉じた。
それからニ時間ほど、ライオネルは男三人に散々弄ばれた。
最後の方では彼はもう何も考えられなくなっていた。
一人の男が特に乱暴で、平手打ちをしたり首を絞めたりしてきた。
ようやく解放され、ライオネルは床に転がったまま放心していた。体の痛みはもはや頭のどこか遠くで感じるほどだった。
やがてのろのろと体を起こすと、投げつけられた布で体を拭いた。至るところに血がにじんでいる。
服を元通り着ると、目を赤くして男を見た。
「もう二度と来ない」
すると、男は思いっきりライオネルを平手打ちした。ライオネルはよろめいてドアにぶつかった。
男たちは、それを見てゲラゲラと笑っている。
ライオネルは逃げるようにそこを出た。
外は、もう真っ暗だった。