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    mi_0906__

    @mi_0906__

    誤字脱字すみません

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    mi_0906__

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    IQ2くらいで読めるような、ゆるさ全開な2人のエイプリルフールのおはなし。
    悲しすぎる程の大遅刻

    HELLOすぷりんぐ…………


    「なぁキバナ。今日はエイプリルフールらしいぜ」
    「んー?突然だな」
    「何かキミに嘘を…、と思ったのだがいい嘘が思いつかなくてだな」
    「思いつかないのにわざわざナックルシティまで来たのかよ」
    「そういうわけだ。で、なにかいい嘘はないか?」
    「それオレさまに聞いちゃうんだ。ビックリしちゃった」


    目の前に立ちはだかるダンデの顔を見れば、フフンと我ながらいい提案をしてやったぜ感で溢れたドヤ顔をかます姿に思わず笑いが吹き出してしまう。
    4月になり気温が暖かくなってきたせいか、ダンデの頭の中もどうやらお花畑状態みたいらしい。
    今日もガラルは平和ってことだ。


    「ところでダンデよ。髪に葉っぱ付いてるぜ」
    「む?」


    まぁ、嘘なんだけども。
    さっきまでエイプリルフールの話をしていた事を忘れたように、オレの言葉をすんなりと受け止めて「どの辺についてる?」と問いながら自分の長い髪に触れるダンデ。
    ほんと、そういうところがコイツのいいところ。
    あまりに真っ直ぐで、憎めない。


    「取ったげる」


    パーカーのポケットに入れてた片手を取り出し、ゆっくりダンデの髪付近にそのまま手を近付ける。疑う素振りすらなく、大人しく待機してる姿は本当に素直そのものだ。

    そんな姿を見せられたらどうしても、意地悪をはたらきたくなるのが自然の原理だとオレさまは思ったわけで。
    ニヤリと笑い、髪付近に近づけていた手をそのままむにり。


    「なぁーんて。嘘です」


    ダンデの鼻をかるく摘んでやった。


    「くっ、やられた」
    「オレさまの勝ち〜」
    「バトルでは勝てないのにな」
    「うるせー」


    かるく摘んでいたダンデの鼻を優しくぐりぐり刺激する。
    「バトルには勝てないのに」のせめてもの抵抗だ。
    弱い力で鼻をぐりぐりし続けていると、ダンデが瞳を閉じて「う〜…ぅ…」と細く声を出しながら、されるがままに耐えている姿で不意に胸がぎゅっとなるのを感じた。
    その気持ちを言葉に出すのは絶対にしたくないわけで、鼻を解放した後に触れるだけの軽いキスをそこに落とす。


    「さ、バカに付き合ってたらこんな時間だ。オレさま昼飯まだなんだけど」
    「あ、あぁ。オレもまだだ。食べに行くか」


    一瞬目をぱちくりさせながらも、そのまま何事もなかったように会話を続けて歩き出すダンデの背中を追いかける。
    途端、ピタリと扉の前でダンデが足を止めてこちらを見つめてくるものだから、不意にお互いの視線がばちりと絡み合った。


    「え、なに」
    「キバナのそういうところ、好きだぜ」
    「…、エイプリルフール?」
    「さぁな。ご想像にお任せするとしよう」


    意地悪に微笑みを浮かべながらご機嫌に扉から出ていくダンデを眺めた後に
    大きく背伸びをして、オレさまも後に続いて部屋の外へ出る。
    ちらりとスマホロトムで時間を確認すれば、もう時間は13時を過ぎていた。

    外に出て、すうっと空気を体内に取り入れれば、風も突き刺さるような寒さは感じられず、道端にはちらほらスイセンの蕾が色付きはじめている事に気が付く。

    週末の天気、どうだったかな。

    予定が合えば、久々にダンデとワイルドエリアにキャンプでも行きたいな。
    そう思い、春の気配に少しだけ心を踊らせながらスタジアムを後にしたのだった。



    ………
    2024.04.02
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    mi_0906__

    DOODLEキバナさんとジュラルドンのおはなし。
    これまでの公式の流れで、進化系があってもキョダイマックスが出来る個体のポケモン=進化することが出来ない個体。(その代わりに得た力がキョダイマックス)
    ということから、キバナさんはこのジュラルドンと共に戦う事を決めた瞬間からガラル地方で骨を埋めるつもりの覚悟は決まってたんじゃないかなーってつぶやきからのさんぶつ。
    めちゃくちゃ短い。
    I promise you.…………


    『他の地方であればチャンピオンになれる程の実力の持ち主』
    だなんて、時々ちらりと耳にするオレさまに向けて誰が言い始めたかわからないこの言葉。正直何も解ってねーな、と物心ついた時からそう聞き流していた。
    それが比喩の例え的なものだったとしてもナンセンスすぎるんだよな。なんてったってオレさまの相棒は、最高で最強なキョダイマックスが出来る個体のジュラルドンなんだぜ?
    進化する道を選ばず、敢えてこのガラル特有の現象である、パワースポットから力を得て放たれるキョダイマックスを武器に闘うと決めた。この事の意味を何一つ解ってない奴が吐いた言葉なんだろうなと。

    オレはそれを選んだ時からジュラルドンと隣に並び、共にこのガラル地方で骨を埋める。そう誓いフィールドに立ちポケモンバトルをしているんだ。
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    fuki_yagen

    PROGRESS7/30の新刊の冒頭です。前に準備号として出した部分だけなのでイベント前にはまた別にサンプルが出せたらいいなと思うけどわかんない…時間があるかによる…。
    取り敢えず応援してくれるとうれしいです。
    つるみか準備号だった部分 とんとんと床暖房の張り巡らされた温かな階段を素足で踏んで降りてくると、のんびりとした鼻歌が聞こえた。いい匂いが漂う、というほどではないが、玉ねぎやスパイスの香りがする。
     鶴丸は階段を降りきり、リビングと一続きになった対面式キッチンをひょいを覗いた。ボウルの中に手を入れて、恋刀が何かを捏ねている。
    「何作ってるんだい? 肉種?」
    「ハンバーグだぞ。大侵寇のあとしばらく出陣も止められて暇だっただろう。あのとき燭台切にな、教えてもらった」
    「きみ、和食ならいくつかレパートリーがあるだろう。わざわざ洋食を? そんなに好んでいたか?」
    「美味いものならなんでも好きだ。それにな、」
     三日月は調理用の使い捨て手袋をぴちりと嵌めた手をテレビドラマで見た執刀医のように示してなんだか得意げな顔をした。さらさらと落ちてくる長い横髪は、乱にもらったという可愛らしい髪留めで止めてある。淡い水色のリボンの形をした、きっと乱とお揃いなのだろうな、と察せられる代物だ。
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