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    mi_0906__

    @mi_0906__

    誤字脱字すみません

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    mi_0906__

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    kbbnワンドロちゃれんじ用に書いてたけど、上手くまとまらなかったのでひっそり供養。
    遅刻+2hオーバー。

    サイコソーダと、キバナさんの瞳の色のおはなし。
    kbnさんの瞳の碧に涼しさを感じつつも無意識で蕩かされてるdndさん

    薄浅葱に溺水……



    あつい。

    何もする訳でもなく、ただ立っているだけで汗が滲んできてなんとなく生活しにくい様な毎日が続く。
    この長い髪のせいなのか、それともあまり着慣れていないこのバトルタワー用の衣装のせいなのか。
    首元のスカーフを緩めながらそろそろどうやって暑さを凌ぐか考えなければ、と思いながらもひとまず今の暑さを逃がす為に、普段は下ろしている髪を簡単に束ねて机に散らばった書類を手に取り始める。
    今日は幸いにも早く帰れそうだ。早くシャワーを浴びたい。
    チャンピオンの頃に着ていたユニフォームの通気性の良さや、動きやすさを無性に恋しく感じながら帰るための準備を進めていると、扉からコンコンとノック音が響いた。

    「どうぞ。入っても大丈夫だぜ」
    「ダンデさん、お疲れ様です」
    「あぁ、今日も1日ありがとな。ご苦労さま」

    ノック音の主はここのリーグスタッフだった。
    どうやら明日の会議で使用する資料を先に持ってきてくれたらしい。オレ1人では手の回らない事もたくさんあって、それでもオーナーとしてここに立っていられるのは紛れもなくスタッフ達のお陰なんだな、と実感させられ、彼ら彼女らには頭が上がらない気持ちでいっぱいになる。
    そんな事を思いながら他愛もない今日の出来事を話していると、ふとリーグスタッフが手元に持っていた荷物をみて思い出したかのように「あ」と声を漏らした。


    「ん?」
    「そうそう。これもダンデさんにと思いまして」

    リーグスタッフが手に持っていた荷物の中身を一緒に覗けば、袋に数本のサイコソーダが入っていた。
    瓶に入ったあの見た目が自分の幼い頃から変わってないようで、思わず懐かしさに浸ってしまう。

    「どうしたんだ、このサイコソーダ」
    「他のスタッフからの差し入れです。ダンデさんのポケモン達にもどうぞ!」

    そう言い、10本程のサイコソーダを机の上に置かれ「それではダンデさんもポケモン達も熱中症にならないように!お気を付けてお帰りください」とリーグスタッフが部屋を後にして出て行った。
    机に置かれたサイコソーダを手に取り、部屋の明かりに照らしてキラキラ光る瓶をぼんやり見つめる。
    透明なのに何となく青くて、綺麗で、儚くて、壊れそうで。
    でも力強く反射する光。

    「まるでキバナの瞳みたいだな」

    ふふ、と思わず笑みがこぼれてしまう。
    見る角度で見え方も印象も雰囲気すら変わる。そんなところも彼の瞳にそっくりだなと思ってしまう。
    ああ、早く会いたいな。
    貰ったサイコソーダをカバンにつめて、バトルタワーを後にし、キバナが待っているであろう自宅へと向かう足のスピードと、鼓動の速さが加速する。


    ◆◇◆

    「ただいま!」
    「おー、おかえりダンデ」

    玄関のドアを勢い良く開けて、帰宅を告げる言葉を放つとリビングからゆるゆるとキバナが出てきて帰りを歓迎してくれた。
    「ダンデ充電〜」と言いながらお決まりのハグで思いっきり包み込んでくれて思わず笑顔がこぼれる。
    なんとなくお互いの顔の距離が近くなり、貰ってきたサイコソーダの事を思い出しながら改めてキバナの瞳をじっと凝視してしまう。

    「なになに、オレさまの顔に何か付いてる?」
    「いや、瞳が綺麗だなと思って」

    見れば見る程、引き込まれそうなその瞳の色。
    ガラスのように透明で、青くて、澄んでいて。
    普段は涼しさを感じるような爽やかさで溢れているのに、バトルになると色の鮮やかさは増すのに何故がとても刺激的で、触れると怪我をしそうなくらいの雰囲気の気迫が放たれる。
    見るタイミングや角度で雰囲気が変わるキミの瞳はやはりサイコソーダのようだと強く思った。

    「急だな。でもその綺麗な瞳もオマエしか映してないぜ、今はな」
    「今だけなのか?」

    出来る事ならずっとオレだけを映して、オレだけを見てくれてばいいのに。なんて口が裂けても言えないし、そう思ってしまう自分はらしくないなとも感じでしまう。

    「オレは割と自分の瞳に映してるのはキミだけだぜ?」
    「ふぅん、なるほどな?」

    嘘は付いてない。
    普段の日常や、バトルの時もキミを目で追っているのは事実だから。だってほら、その証拠に関係ない物を見ても何かしらキバナを連想をしてしまう程にはなってしまっているだろ?
    そう思いながら敢えて少し挑発するように告げると、ギロリとキバナの目付きが変わる。まるでバトルの最中かのような雰囲気が放たれるこの目の色も、目付きも、今はオレだけのものだと実感させられる感覚がたまらない。

    「最高だな、キミの瞳は」

    そう呟き、するりと優しくキバナの顔に触れる。
    暑さを忘れさせるようなキバナの瞳の碧に溺れながら深く深く心も体も沈んでいくのを感じていると、触れていた手を捕まれニヤリとした表情の彼とバチリ目線が重なり合い、がぶり。唇に噛み付くような勢いでキスを落とされた。

    「挑発してくる様な事を言うオマエが悪い」

    その言葉と共に再び唇に噛み付かれ、ぬるりと割るように口の中にキバナの生暖かい舌がねじこまれる。そこから送り込まれる唾液と酸素を飲み込み、取り込みながらキバナの瞳の碧に再び溺れて蕩かされていくのだった。





    ……
    第154回 // お題『涼む・涼しい』
    #kbdnワンドロ
    #kbdnワンドロ_154
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    Replies from the creator

    mi_0906__

    DOODLEキバナさんとジュラルドンのおはなし。
    これまでの公式の流れで、進化系があってもキョダイマックスが出来る個体のポケモン=進化することが出来ない個体。(その代わりに得た力がキョダイマックス)
    ということから、キバナさんはこのジュラルドンと共に戦う事を決めた瞬間からガラル地方で骨を埋めるつもりの覚悟は決まってたんじゃないかなーってつぶやきからのさんぶつ。
    めちゃくちゃ短い。
    I promise you.…………


    『他の地方であればチャンピオンになれる程の実力の持ち主』
    だなんて、時々ちらりと耳にするオレさまに向けて誰が言い始めたかわからないこの言葉。正直何も解ってねーな、と物心ついた時からそう聞き流していた。
    それが比喩の例え的なものだったとしてもナンセンスすぎるんだよな。なんてったってオレさまの相棒は、最高で最強なキョダイマックスが出来る個体のジュラルドンなんだぜ?
    進化する道を選ばず、敢えてこのガラル特有の現象である、パワースポットから力を得て放たれるキョダイマックスを武器に闘うと決めた。この事の意味を何一つ解ってない奴が吐いた言葉なんだろうなと。

    オレはそれを選んだ時からジュラルドンと隣に並び、共にこのガラル地方で骨を埋める。そう誓いフィールドに立ちポケモンバトルをしているんだ。
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