一途に想います。次は、いつ会えますか。
その一言が言えずにもう数ヶ月が経った。意気地のない私が勇気をだしてあの人に告白した時、大きな目をさらに大きく見開いてうるうると涙を滲ませていたのを覚えている。私も、まさか受け入れてもらえるとは思ってもいなかったから、少しだけ釣られて涙ぐんだ。
それから一週間で初めて、小さな手に触れて、一ヶ月が経たない頃に柔らかな唇を許してもらった。何度も何度も味わうように自分の唇を重ねた。ティーンの男の子のようにはしゃいだ。嬉しかった。
そして、初めて身体を繋げたのは二ヶ月も経たないくらい時を経た夜。任務終わりの彼女を迎えに行った後。
「アッ……っ、ぅ……いじちさ、ん!」
「はぁ……は、いたく、ないですか……?」
「うん、ッ、私、しあわせ!」
嫌な任務があったからと落ち込む彼女の家に上げてもらった。どうにかして慰めたくて、抱きしめて、背中を摩って、頭を撫でて――キスをして。気がついたら二人でベッドへなだれ込んで。
私は体力もなければ、モノの大きさも硬さも、きっと何もかもが極々平凡です。五条さんのような綺麗な顔でもなければ、七海さんのような大人の男を感じさせる振る舞いもできません。ですが、あなたへの愛だけは誰にも負けないと、負けたくないと思っています。
そのあと息絶えるように気を失った彼女を抱きしめて、この世の悪いもの全てから守るように包み込んで眠った。
それからは至って穏やかな、夢のような生活が続いている。――はずだった。
術師と補助監督、もちろん補助監督の方が時間の融通が効くとは言え、五条悟付きの私の時間が縛られやすいのは周知の事実。どんどん彼女との連絡頻度も少なくなった。気がつけば、彼女の送迎で家に寄り、時間の許す限り身体を絡み合わせる。愛があるから身体を交える、当然のことだと思っていたのに、いつからだろう。彼女の心が全く見えなくなった。
もう、私には飽きましたか?私では足りませんでした?あなたを満足させてあげられなかった?
それでも私は。
私は、別れてくださいとは言えません。私から別れを告げるなんてことは出来ません、わたしはこんな状況になっても尚あなたが好きです。あなたを愛し続けられる自信があります。
でも、あなたから別れを告げられた時は。その時は。
――次は、いつ会えますか。