一月三日の朝
「苦しい」
魏家の一室で魏嬰が小さく呟いた。
「我慢しなさい、貴女が今年の初詣は振袖着たいって言ってたんでしょ」
腕を組んで呆れた顔をして娘の着付けを見ていた、ちなみに着付けをしているのは父親だった。
「まぁまぁ、結婚する前で良かったじゃないか。成人式はスーツだったからね。よし完成、阿羨に合ってるぞ」
「ありがとう父さん」
魏嬰はお礼を言った後全身が見れる鏡を見ながら長い袖を腕に巻いたりして満足そうな顔をしている。
「さて次は母の出番ね!可愛く結ってあげるわ」
自分の胸をドンと叩いてウインクした母に笑顔でウインクを返した。
「うん、羨羨をとびきり可愛くして藍湛が惚けるくらいに」
長い黒髪に櫛を通しローポニーテールに仕上げる髪飾りは落ち着いた色を使う、後ろ髪をまとめる紐はお気に入りの赤と藍忘機に貰った白の髪紐と使ってみた。
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