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    うづきめんご

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    うづきめんご

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    1部7章後の妄想。妄想は!!!!今のうち!!!!

    #エリオ腐R
    elioRotR.
    #オズシリ

    オズ→シリ 右手に月を、左手に太陽を。
     陽の光を忘れた暗い夜空には恒星を。

     四六時中が白夜状態のロストガーデン。ネオンの光が落ちる地面を進む足取りは、いつの間にかワルツのリズムになっていた。
     この高揚感は、まるで秘匿されていた骨董品をオークションでセリ落として我が物とした時のよう。最初は黙って付いてきていたシャムスも、普段とは違う様子にさすがに怪訝な顔を隠さない。
    「――ずいぶんと機嫌がいいじゃねぇか」
    「ふふ。そう見えるかい?」
     実際ノヴァと対話してからのシリウスを支配している感情は、愉悦。
     かつて、この世で一番シリウスの感情を揺さぶった人が作り出したもの。それが人智を越えた形を成し、今なお成長を遂げている。この気持ちが愉快じゃなければ何なのだろう。
     天からの授かりものを人に転移する術を手に入れた神は、その力で次は神に近い人間を作ろうとした。何度も繰り返されたその実験は成功することなく終わった――と聞いていたのだが、どうやら目的は達していたらしい。
     聞こえているだろうか、神の力を手に入れようと藻掻いて死んだ男よ。きみが生み出した子が天への階段を上り始めている音が、ビッグバンが起こる前兆が。
    「生きていると、想像を超える何かが起きることもあるものだね」
     歌うように紡いだ言の葉を常夜の喧噪に溶かしながら、シリウスは上を見上げた。そこには空などない。地下の楽園には人工的な光が灯る天井が広がるのみで、心は清々しいのに大空を覚えている体だけが少し息苦しさを感じていた。
     
     右手に月―シン―を、左手に太陽―シャムス―を。
     陽の光を知らないロストガーデンの宙には一等星―シリウス―を。
     極星を見失った哀れな男へは、鎮魂歌を。
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    てゐと

    DONEフォロワーさんからもろに影響を受けたので夏のジュドニコを教師パロで書かせていただきました!
    以前保健室の冷蔵庫にニコが自分のものを入れているってフォロワーさんのツイート、本当に大好きですこ~し拝借させていただきました…すみません、お許しを。まあでもいいですよね、最高。

    ジュード→養護教諭
    ニコ→生徒

    余談ですがジュードせんせが言っている「担任のアイツ」はあの人のことです
    とけだす、泡沫「うわ、あつ……」
     誰が何と言おうとこんなにも暑いのに、空調の世話に慣れない中途半端な、夏になりかけの季節だ。校舎の窓という窓が開けられて、何が好きで我慢大会をさせられているのかと涼を求めて保健室の扉を開けたのに。ニコが風の流れを作ったので、消毒液の匂いが混じった生暖かい風が頬をさっと撫でる――いや、頬をじわりと撫でつける。
    「なんだ、ジュードはいないのか」
     廊下とは違い、締め切られた空間の暑さには本当にうんざりしてしまう。文句を言いながらもペタペタと上履きを鳴らすニコの額を、つうっと汗が流れていった。拭うこともしないまま、我が物顔でずかずかと進む先には冷蔵庫があって、ニコは迷うことなく上段に手を掛けて、まずは冷気を浴びた。それからアイシング用の冷却材や氷嚢用の氷の山を手のひらで掻き分けて探し出したのは、プラスチックの黄色いパッケージだ。ジュードはあまりいい顔をしないが特に止めもしないので、保健室の冷凍庫には定期的に氷菓を忍ばせることにしている。食べては入れて、食べては入れて。随分と奥に仕舞い込まれていたところを見るに、随分とそれもご無沙汰になってしまったようだ。
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