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    sasaha_irm6

    @sasaha_irm6

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    sasaha_irm6

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    編集と作家の遅くなった夏休みのお話。

    #iraz
    #イルアズ
    iluaz.

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    sasaha_irm6

    PROGRESSイルアズ・プランツドールパロの続き(2章冒頭部分)です。
    来年の2月もしくは3月に、1章とこの続きから最終章までのお話を1冊にまとめて発行予定です。

    1章
    https://www.pixiv.net/novel/series/8783188
    青葉、微笑む チチ、チチチ。
     アラームと一緒に、鳥の声が聞こえる。
    (朝かぁ)
     目を開けると、細い格子模様の欄間から、朝日が差し込んでいた。起き上がって目覚ましを止め、布団の上で伸びをひとつ。寝起きだけど、意識はもうはっきりとしていた。寝起きの良さには、もともと自信があった。けれど、最近はさらに調子がいいみたい。ゆっくり布団で寝ているからかな。今すぐにでも働けそうな気がする。

     布団をさっと片付けて一階におりた。雨戸を開けると、庭では紅葉や桜、南天が風にそよいでいた。
    (気持ちよさそうだぁ)
     縁側のガラス戸を開けてみる。すると吹き込む風に、髪や寝巻きの裾がふわりと揺れた。僕は目を細めてしばらく風に吹かれていた。
     縁側を伝って洗面所へ向かう。渋い焦げ茶の木の廊下はひんやりとしていて、洗面所へ着くころには足が冷たくなっていた。やっぱり、家って広いなぁ。家の中に水道があるのは、便利でありがたいけど……。蛇口をひねると、きれいな水がすぐに出てきた。冷たい水で顔を洗いながら、夜にくんでおいた水の使い道を考える。ため水自体もういらないのかもしれないけど、まだ止めるまでは踏ん切りがついていない。
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    kinoko1923

    SPUR ME大人になったイルアズが、特になんの縛りもなく人間界に観光に行く話です。
    最初だけちょっとしんみりしちゃうんですけど、次回からは軽率に美味しいもの食べたり遊んだりして欲しいな〜と思っています。
    大人になったイルアズが人間界で食べ歩く話(牛丼)冷え冷えとしたアスファルトの道を行く。
    コンクリート製の整然とした街並みは、自由な曲線を描く魔界の建物と違って、ひどく無機質に見えた。
    生まれた世界を眺めておきたい、と思ったのは本当だけれど、隣を歩んでくれる恋人がーーアズくんがいなかったら、すぐにとって返してしまったかもしれない。

    ふわ、と鼻先に香りが届いた。
    玉ねぎと、牛肉。甘辛く煮られたそれの、あたたかで、胃をぎゅうっと握るような香りだ。
    思わず足を止めると、アズくんが身を屈めて、僕の顔を覗き込む。無彩色の街を背景に、認識阻害グラス越しの紅はきらきらと眩い。大丈夫、アズくんがいれば、僕は大丈夫。
    「……あのね、僕。あまり町に行かないようにしてたんだ」
    知らない人について行かないようにって言い含められていたのは、今思うと、僕のためじゃなくて、警察や良識ある大人に見咎められないようにってことだったのかもしれないけれど。
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