無題 スマホが鳴る。
それは、冬弥からの着信だった。
皆でWEEKEND GARAGEに集まり、朝から練習をするはずだった休日。冬弥は、急用のため送れて参加することとなっていた。
おおよそ、用事が済み、これから参加の連絡だろうと電話に出る。まもなく昼休憩なので、タイミング的にもちょうど良い。
「お疲れ、冬弥。」
『彰人の方が疲れているだろう。遅れてすまない。用事が終わったから、これからそちらへ向かう。一〇分ほどで合流出来ると思う。』
案の定、予想通りの答えが返ってきた。つくづく真面目なやつだと思う。
ここ最近は、夜もまともに眠れないほど作曲に打ち込み、ただでさえ疲れているだろうに、オレの心配してる場合じゃねぇだろ、と、心の中でツッコミをいれる。
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