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    おはぎ大明神

    @hatsumi_gusa

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    おはぎ大明神

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    文です といいつつ全然文体整えてないしただの長いメモ書きです 人の目に触れることに慣れたいだけです…

    椿姫パロ読了記念と言いますかただこのパロがしたいがために読了したと言いますか パロとは言うもののかなりの捏造+適当あり 悪しからず…
    あと衝動書きなので体裁が一切整っていない あと追加の設定がいくつもある 悪しからず……

    高級娼夫のヒュ ただれた生活を幼少期から送ってきたため病にふせてしまい、療養のため都会での生活を捨て田舎へ移住 表に湖畔、裏に森を抱えた白いコテージで療養中の彼のもとに、以前の彼と同じくらい街中にその名をとどろかせている有名俳優が訪ねてくる  とはいえラはヒュ目的で来訪したわけではなく、ただ偶然田舎町へ来てみるとヒュがいたから挨拶に伺ったというわけだ(この設定あとで変わります)

     ラは自分の舞台をいつも桟敷席から観劇しているヒュを知っていた
    普段上演中は観客席に目を向けないラーがとりわけ熱心な視線に気が付いたのは二年前のこと 思わず舞台上から視線の正体を探した 熱の主がこの大都会でその名を知らぬものはいない高級娼夫だったと知り、ラは興味を抱いた
     後日彼があれだけの熱を帯びた視線を向けるのは本当に自分だけなのかと確認するべく、同じ椿姫の公演へと足を向けた あの時と同じく彼は桟敷席にいたが、その目にときめきは映っていないように感じた 実際彼は時々席を外していたし途中重そうな瞼をこじ開けようともせず微睡みに身を任せようとする場面もあった それには思わず苦笑してしまった
     隣に座る男性が執拗に彼を叩き起してはなにか囁きかけていたところを見ると、今回の観劇に誘ったのはあの男性らしい ヒュは鬱陶しそうな素振りこそ見せなかったものの落ちてくる睡魔には抗えないようで、唇を動かしながらも瞼は半分閉じかかっていた
     実に良い物を見たと、ラは自信に溢れた
     ヒュはラが違う演目に出演する際も劇場を訪ねた ラの舞台をみにくる時は決まって従者らしき女性と二人でだった ラにとってはそれが何よりも誇らしかった これまで数多の人々を魅了してきたと知っていながら歓喜を覚えることのなかった彼だったが、ヒュを堕としたのだという事実には興奮せざるを得なかった
     とはいえ顕示欲を満たすため彼に近づきたいとは一切考えなかった 欲求を満たさずにいられない衝動を抑える理性が常に働いていた 彼はその性質ゆえにトップ俳優として輝いた
     そんなこんなでヒュに関心を抱いていたラは、彼が絢爛な生活を手放して行方を眩ませたと知って愕然とした 風邪をこじらせた彼は多くのパトロンに見放されたのだという噂が瞬く間に広まった 金持ちの商売女としての価値をなくした彼を気にとめるものは一人としていなかった ラはヒュと直接関係を持ったことは無かったためどうすることもできず最初一週間は茫然としたまま過ごした
     一週間経ち、聴衆に彼が居ないことでこんなにも苦しむとは思いもしなかったラはついに行動を起こす 突如休暇を取ると言い出した彼に劇場のオーナーは頭を悩ませたがラが何者にも縛られない奔放さを持つ青年であることは承知していたため、六月の公演を終えたら一週間の休暇をやると条件をつけて承諾した
     焦燥に駆られながらなんとか六月公演を終えたラはまず彼と親しかった人をあたろうと考え、彼の邸宅の向かいに居を構える元娼婦現質屋の真似事をする女をたずねた 幸いなことに彼女とは以前から交流があり、ラを好く思っていた彼女は有益な情報を与えてくれた ラの興味が自分ではなく知り合いの病人に向いていると知って幾分かがっかりした様子ではあったが気高いラの気にする所ではない
     こうしてヒュの居所を知ったラは最近開通した鉄道を使って田舎町へと向かった
     狭い田舎で聞き込みをすればすぐに彼の居場所が割れた どうやら村の奥、表に湖畔裏に森を抱えるコテージで療養中らしい
     自分が訪ねてきたと知れば彼はどう思うだろう どんな反応を見せるだろうと不謹慎にも昂る気持ちを抑えられなかった 日が沈んだ頃コテージの様子を伺いに行くと、一艘の船が湖に浮かんでおり、そこに彼の姿を見ることができた 桟敷席で常に隣にいた従者らしき女性と親しげに会話をしている
     美しい情景にしばらく見惚れていたラはプライドの高さ故に認めていなかった恋心を初めて自分に対して許諾した

     コテージの方を向いて座っていたヒュがラに気づく 動揺したらしい彼が船上であるにも関わらず起立しようとしたので慌てて従者がとめる だが背後を振り返った彼女もラの姿を見つけると立つまでには至らずとも黒ぶちの目を丸めた
     いまにも水上を駆けて来そうなヒュが声を張ろうと息を吸って激しく咳き込んだ 従者がそれを宥めつつ、両手を動かして船を陸地に近づける ようやく息を整えた彼がこちらを見つめ返した時、大袈裟ではなく時が止まったかのような錯覚を覚えた 薄い瞼の下に映える減紫色の瞳は舞台上からは望めなかった光景で、そのくすみこそが彼の美しさの本懐なのだと思わずにはいられなかった
     二人の長い影が近づいてくる 影はラのすぐ手前で止まった 桟橋前の大木の下から動けずにいたラは今まさに生まれて初めて呼吸を経験したのだと思った
     感激のあまり呆然と立ちつくすことしかできないらしいヒュに代わって従者が頭を垂れた 簡易な挨拶を交わしたのち「ここへはどのようなご用件で」と問われ、舞台俳優の青年は正直に答えた
    「ヒュンケルに会いにきた」
     その言葉に対する麗人の感動ぶりといったら みるみるうちに瞳には涙が溜まり、陽光を受けてもなお青白い頬に伝う一線がなんとも清らかで美しく、生涯脳裏に焼きついて離れないだろう情景になることは間違いなかった か細いが意志の強さを感じさせる声でヒュが言う
    「遥々私に会いに来てくれるとは光栄です どうぞ中へお入り下さい」
     この時の彼の心が光栄の二文字に収まりきるはずもなかったことは火を見るより明らかで 数秒前より幾分か紅潮したらしき頬には平静を保とうと必死なのか、若干汗すら浮かんでいた
     目の前にある小さな屋敷の扉を開くまでの束の間──本当に束の間である──きっと一分にも満たなかったその時間、たどたどしい足取りで敷石を踏む彼の痩せた背中を眺めながらどれほどの幸福を噛み締めたことか 今生において恋に落ちるなど思いもしなかった己の舞い上がりっぷりに自分でも苦笑いしたくらいだ
     玄関をくぐると窓から入り込む陽の光にやけたらしい廊下が三方向に広がっていた 案内されたのは右手の廊下を伝った先にある応接間 白を基調とした調度品が申し訳程度に並べられたさまには、彼の都会での豪勢な暮らしぶりを噂程度にしか知らなかったラでも驚かされた
     従者が茶を用意すると言って台所へ消え、空がオレンジ色を落とす空間に二人取り残された 夏近くというのに暖炉前に佇むヒュは揺らめく炎を目に映しながら、時々そうせずにはいられないといった様子でソファに腰掛けるラに視線をやった その度に二人の双眸がかち合うので、三度それを繰り返したところでようやくラが口火を切った
    「ここへはいつ移り住んだ」
     台所から依然食器のぶつかり合う微かな音が響き伝わってくる 二人きりの部屋に響く唯一の音をラの耳は聞き漏らさなかったが、どうにも白い麗人は事情が違っているらしかった シルクのショールを恭しく肩にかけたヒュンは突如耳奥に共鳴した青年の声にはっと顔をあげ、いかにも健康そうに上気させていた肌をより一層赤く染める 焔のせいではないことなど誰にとっても明白だった
    「一ヶ月ほど前です 六月の二日のことでした 一日に街を出て翌日からここで療養を始めたのです」
     一息にそう言ってしまうと軽く咳き込んで、それでも情熱的で真摯な眼差しがラから逸らされることはなかった
    「随分詳細に覚えているようだな」
     ラは片頬だけ上げて笑んで見せ、うぶな娼夫を揶揄った もっとも本心から馬鹿にしたのではない この挑発的で挑戦的な態度こそが彼の良さを引き立たせる一番の魅力だったのである 多くの貴族連中を誑かし大都会一の娼夫と成り上がったものの、しかしその心に未だ幼い頃培われた純朴さを残す青年は、彼の揶揄いを喜んで受け入れた
    「一日の夜は本来であればあなたの舞台を見にいく予定でした ただその日は私の容態が芳しくなく、旅出の前日に無理するべきではないとナニーヌに説き伏せられ、泣く泣く観劇の機会を見送ったのです」
     ナニーヌ、ああ、あの従者の名前かとラが納得したところでヒュは再び咳に苦しみ始めた よろけてマントルピースを頼ろうとした彼の左手を立ち上がったラの右手が支える そのまま彼の体ごと腕のうちに収めてしまって、ヒュの発作が落ち着くまでの時間を過ごした 両腕、胸、肩、いずれからも伝わってきた温度は真夏の太陽に晒された肌のように熱く、彼を蝕む病魔がいかほどのものか身をもって知ったような気がした
     彼の咳が徐々に和らぎ始めた頃、ナニーヌがティーセットを運んできた 脂汗を滲ませる主人の姿に心を痛めたような表情を見せたが、彼が来客の腕の中にいることを認めると眉間に寄る皺の数を減らした
    「……もう、収まりました」
    「言わずともわかる 早く席に座れ」
     突き放すような言い方だが青年がヒュをロッキングチェアまで連れていく手つきは実に寛容で、舞台役者としての品の良さとは別に可愛くも哀れな病人を心底慈しむ様子が見て取れた

     日は西へ沈み、夜の帷が下ろされようとしている時分、用意された軽食を咀嚼しながら正面の白い顔を見つめる 己に注がれるラの視線を噛み締めるかのようにヒュは唇をきゅっと薄く伸ばして口角を上げた ナニーヌが言う
    「今夜はここへお泊まりになりますか」
    「申し出は有り難いが、既に宿を確保してある 突然押しかけた挙句寝床まで用意していただくわけにはいかん」
    「ですが、この田舎にはあと一週間も滞在なさるのでしょう まさかヒュンケル様をお訪ねになるのは今日だけ、とはおっしゃいませんよね ヒュンケル様は以前から、そうですわ、あなた様もご承知でしょうけれど、二年前のあの舞台であなた様をご覧になってから人知れず想いを抱き続けてきたのです ヒュンケル様の熱情にはラーハルト様も当然お気づきでしょう だからここへいらしたんですものね ねえラーハルト様、たったの二時間だけの関係になられるおつもりはあなた様にも毛頭ございませんでしょう 今夜は、いえ今夜だけとおっしゃらず、今後もこの田舎町へ訪れる際はこの邸宅にご滞在してくださいまし」
    「ナニーヌ!」
     弁が立つ従者にこれ以上告白されては堪らないといった面持ちでヒュが叫んだ かつてないほどに肌を赤らめた主人にナニーヌは怖じることなく、あなた様がはっきりとおっしゃらないからでしょうと叱りつける 自分やヒュンケルと大して年齢の変わらないであろう、むしろ少女にすら見える若い従者はやはり彼と密接な関係にあるらしい それも家族に近しい間柄だ 嫉妬することはない、もとよりラーは嫉妬などという醜い感情に振り回されない毅然とした人柄である ナニーヌに対して好感を持たざるを得ない状況となり、しかも飄々としている彼女の前で美しき想い人が羞恥に心を取り乱しているのだから、耐えきれずラーは吹き出してしまった
    「笑わないでくれ!」
    「笑うなと言われて笑わない奴がいると思うか」
    「あなたは役者だろう……!」
    「ああ、それもそうだな ではこれは演技だとでも思ってくれ」
     冗談に声を震わせるラーはひとしきり笑い切ると、同じくおかしそうに頬をぴくぴく痙攣させているナニーヌが注いでくれた紅茶を飲み干した
    「夏の甘い紅茶に誓おう この町へ参上する際はヒュンケル、お前の傍にいることを」
    「それは何かの詩か」
    「オリエントの方では誓いを立てる折、仲間同士で茶を飲み干すのだという」
    「ナニーヌも参加してよろしくて?」
    「もちろんだ」
    「勝手に話を進めないでくれ……」
     不平文句を垂れながらもヒュンの唇は弧を描き、眦には一粒の涙さえ浮かんでいた ティーカップを各々高く持ち上げラーが乾杯の号令をかける 一心同体となったような心持ちに何やらくすぐったさを覚えたのか、ヒュンはカップをソーサーに置くとラーに背を向けた 屋敷内へ招待されてからは初めて見る背中だった 二年前の桟敷席で彼を見かけたときに比べると随分痩せてしまった身体を今すぐにでも抱きたい衝動に駆られるが、押し留まって柔らかな銀髪にそっと告げる
    「町へ来ない時間もだ、ヒュンケル オレの想いは常にお前と共にある 今生をお前に捧げると誓おう」
    「……儀式の後で誓ったことにも効果は現れるのか」
    「儀式など所詮形式に過ぎん オレは誓う、そう言ったのだ 約束を破りはしない」
     ようやく振り返ったヒュンは、信仰心が特別深いわけでもないラの目にすら、天界と誤ってこの世界に生を受けてしまった天使のように映った 双眸を縁取る銀の睫毛が一度肌に影を落としたのちに上を向いた くすんだアメシストが、ラがヒュを見てそうするように、ゆっくりと愛しい人の輪郭をなぞる
    「では、私も誓いましょう 一度燃え始めれば死が二人の運命を別つまで絶えぬであろう、この炎のような愛情を、残り短い余生を賭してあなたに捧げると」
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