アイス食べた直後の︎🌟にキスする話 愛しい恋人と暮らす家の中で「キスをしたい」と考える事は、実はあまりない。殆どの場合は考えを巡らせる間もなくキスをするからだ。キスをしたいという感情の脳波が出るや否や、僕の体は即座に動く。人体における反射という動作は、光や周りの環境、命の危険を感じた時に起こるというが、僕の場合、こと司くんにおいては例外だと思う。帰宅した僕を出迎えて笑いかけてくれる時、今日の夕飯は自信作だと誇らしげな時、ドライヤーをかけられながら心地良さげに目を閉じている時、ベッドで期待と熱を孕んだ目で見つめてくる時、快楽でその瞳に涙の膜が張る時⋯⋯これ以上は伏せるが、日常で幾度となく訪れるキスへの衝動を抑えることはあまりしていない。けれども、家の中とはいえ司くんがキスを拒む状況ではさすがに我慢せざるを得ない。食事中はその一つだ。衛生面に問題があるし、自分の口の匂いが気になるのだと言っていた。司くんだったら僕は気にならないのに。
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