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    xjellyfishkingd

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    xjellyfishkingd

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    狂い咲く花は風を乱吹く10「…兄貴、兄さん、兄上」

    その男は息を切らしながら腕の中にある物を守りながら、逃げた。

    首都、嘗ては彼の故郷であった、あそこへ、風神の子とカルデアのマスターを求めて


    >>>>>>


    一方、ハスティナープルから遠く離れた廃墟で二つの勢力が戦っていた。

    暴風が吹き荒れ、次々と現れる大木を切り刻む。
    風の中に大量の毒の花粉紛れてが周りのものを溶かす。

    「びいいいまああああああっ!!!」

    剣を持ってヴリコーダラの心臓目掛けて突撃される。

    「させねぇよ」

    しかしそれは最も簡単に避けられる。

    「お前だけは許せない。よくも父上を、母上を、ドゥフシャラーを…!」

    まるで血を吐くような声で美しい少年は半神の子を睨みつけた。

     
    ああ、やはり


    「お前は「あの時の」ドゥリーヨダナだな」


    >>>>>>

    何もない空間

    異常な程に真っ白。

    その真っ白な空間の中心に黄金の壺が一つ、その中には灰色の肉塊が一つ。

    それを目にした藤丸立香は酷い吐き気と眩暈を感じた。

    「…こんなの、俺は知らない。見たことがない…クリシュナ、これはどういう事だ?」

    「まぁ、君のその反応は、俺も。最初呼ばれた時にしたよ」

    「『呼ばれた』と言うことはあなたもサーヴァント?」

    「当たり前だろう?というか此処には嘗てのクル王家も何もいない。」

    ハリボテの宮殿、ハリボテの国、ハリボテの民

    「中身なんてない。ここは神々の作った簡易な箱庭だ」

    「…本物はどうした」

    「…さぁ?君自身に聞いたほうが良いんじゃないかな」

    「?……!」

    「…あ」

    黄金の壺の側に隠れていた子供。藤色の永く美しい髪を靡かせて、子供は藤丸達のもとい、ビーマの方を無表情で見ていた。

    「す、スヨーダナ…!」

    ビーマは無意識に、そして思わず手を伸ばす。

    伸ばされた手をなんの感情もなく見ると、スヨーダナはパタパタと逃げた。

    「ま、待ってくれ!」
    「ビーマ!!」

    またビーマは走り出していき、クリシュナと藤丸のみ残った。
    藤丸もビーマを追いかけようとするが、クリシュナがそれを止めた。

    「風神の血を引く半神をただの人間が捕まえようなんて無駄だ。
    しかし、またマスターを置き去りにするなんてねぇ、アルジュナだったらこんな事絶対にしないのになぁ」

    クリシュナは思いため息を吐いた。そしてその後ににやりと笑みを浮かべたのであった。

    「まぁ彼は「ドゥリーヨダナ」を止める道具だし?…その道具(ビースト)を壊すのは「君」の役目だもんね?カルデアのマスター?」
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