Rainy birthdayなんでこうなったんだろう。
綱吉は小さくため息をついた。
頭上からは、止むことのない衝突音がパラパラと降りそそぐ。
そして隣からは無言の圧力。
チラ、と目だけで横を見上げればそこにはまっすぐ前だけを見つめる男の横顔。
微動だにしないその整った横顔からは、何の表情も読み取れない。
「(やっぱ…怒ってる、よな…)」
しゅん、と綱吉は再び足元を見つめた。
スニーカーは雨を吸って冷たく、ドロドロになっていた。
今日は6月9日。
骸の誕生日だ。
しかし肝心の主役と言えば誕生日には無頓着なようで、綱吉がおめでとうと祝っても「そうですか」のあっさりした一言で、済ませてしまったのだ。
当初の予定ではここで家に帰宅してお祝いの続きをする予定だった。
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