波形の特徴2 授業終わりのチャイムと共に、奈良坂はスマホに電源を入れた。数週間前から荒船に訓練メニューを組んもらっていて、今日のメニューについて聞きたいのだが『もう少し待ってくれ』というメッセージ以降、連絡がないのだ。
アプリを更新してみても新着メッセージは無し。せっかく手ごたえを感じ始めたところだし、繰り返しでもいいので続けたい。少しでも話せないかと荒船の教室を訪ねることにした。
「失礼します」
三年生の教室を訪ねると上級生達がこちらを遠巻きに見ながらざわつく。
「あの……荒船先輩は……」
「え?荒船くん?」
「おい、荒船どこ行ったー?」
伝言ゲームのようにクラス中に広がるが、誰も行き先を知らないようだった。奈良坂は一礼すると
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