料理上手なチチは菓子類も作れる。子供達の誕生日には手作りのケーキを焼いてきた。
そんな彼女は月に一度、いちごのケーキを焼く。
真っ白なクリームにつやつやとした赤いいちごのそれはとてもおいしくて、悟天のお気に入りだ。
「ねぇおかあさん、今日っていちごのケーキの日?」
「いんや、それは来週のつもりだべよ。なしてだべ? 悟天ちゃん」
「だって、テレビで今日は『いちごの日ですよ』って言ってたから…」
リビングのソファでテレビを見ていた次男坊からの元気良い問いかけの理由を理解したチチはにっこりと笑う。なるほど、それならそう思ってしまうのも仕方ないかもしれない。
「おっかあがいちごのケーキを焼く日はその月の22日だべ。でもイチゴの日じゃあなくてだな、それはショートケーキの日だからなんだべ」
1219